【2026年】高尾山・丹沢のクマ出没情報|子連れで行く前に確認する手順

丹沢の登山口に出た「熊出没!要注意」の電光表示 行き先ガイド
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今週末の行き先を決めようとして、手が止まっていませんか。

  • 高尾山や大山に行くつもりだったけれど、クマのニュースが気になって決めきれない
  • その山で本当に出ているのか、どこを見れば分かるのか分からない
  • 子どもを連れて入っていいのか、自分では判断がつかない

クマの事情は山ごとに違います。「全国で増えている」というニュースだけでは、自分が行く山の判断材料になりません。子どもと歩く日は歩く速さも視野も大人だけのときとは変わるので、なおさら手前で決めておきたいところです。

判断の材料は、都県・市町村が出している記録と、その山を管理している窓口。この記事で紹介する3つの窓口でそろいます。

この記事では、高尾山・陣馬山と丹沢・大山で2026年に何が記録されているのか、出発前に見る3つの窓口、情報が出ている日に子連れで入るときの備えをまとめました。読み終えるころには、今週末の行き先を人に聞かずに自分で決められるようになります。

高尾山・陣馬山のクマは奥高尾方面が中心

高尾山頂に立つ標識

高尾山を管理している高尾ビジターセンターは、2026年5月16日にクマについての注意喚起を出しています。内容は、高尾山周辺、特に奥高尾方面にツキノワグマが生息していること。そのうえで、明け方や夕方に入山するときは音を出して存在を知らせること、単独行動を控えることを呼びかけています。

この呼びかけは8月中旬の時点でも続いています。夏の間に取り下げられた注意ではない、ということです。

東京都は目撃や痕跡の記録を地図データとして配っていて、CSVファイルは2026年6月10日時点のものが公開されています。このデータを、高尾山の山頂から直線5km以内で数えてみると、2026年4月から6月10日までが4件、2025年度(2025年4月から2026年3月)は31件でした。

範囲を半径3kmまで絞ると、2026年度は2件、2025年度は14件と半分以下に減ります。記録の多くは山頂そのものではなく、そこから少し離れた場所に付いているという見方ができます。

陣馬山も同じ数え方で見ると、山頂から5km以内は2026年度が1件(5月20日の目撃)、2025年度が7件。高尾山側より数は少なめです。

市の側でも記録が出ています。八王子市は、5月30日の午後0時10分ごろに八王子城跡内・御主殿の滝付近でツキノワグマ1頭が目撃され、翌31日の午前5時10分ごろには同じ付近で野生動物の鳴き声が聞こえたと公表しました。城跡は高尾山の北側、陣馬山へ向かう尾根の東の端にあたる場所です。

あわせて八王子市は、山林やその周辺では単独での行動を避けること、鈴やラジオなどで音を出して自分の存在を知らせること、早朝や夕方など活動が活発な時間帯の外出は可能な範囲で控えること、目撃しても刺激せず、背を向けて走らずに静かに距離を取ることを呼びかけています。

では、神奈川側の丹沢や大山はどうでしょうか。

丹沢・大山の記録は大山周辺に集まっている

大山の阿夫利神社へ向かう杉林の登山道と鳥居

神奈川県は、県内のツキノワグマの目撃等情報を年度ごとにまとめて公開しています。2026年度分は8月24日時点で31件。4月4日から8月22日までに寄せられた記録です。

場所ごとに見ると、偏りがはっきりしています。件数の多い順に主な場所を挙げると次のとおりです(残りは愛川町半原や相模原市緑区などに1〜2件ずつ散らばっています)。

  • 伊勢原市大山 7件(5月25日、5月31日の痕跡、6月16日、7月14日、7月20日が2件、8月17日)
  • 清川村煤ヶ谷 4件
  • 山北町(玄倉・皆瀬川・神縄・世附) 4件
  • 伊勢原市日向 3件
  • 松田町寄 3件
  • 厚木市七沢 2件
  • 秦野市菩提 1件(痕跡)

大山と、その東側の登山口にあたる日向・七沢を足すと12件。県内31件のうち3分の1以上が、大山まわりに集まっている計算になります。丹沢の中では、ここが今いちばん記録の多い場所だということです。

いちばん新しい記録は、8月22日の午後5時50分ごろに厚木市七沢で、その前が8月17日の午後5時15分ごろに伊勢原市大山でした。

時刻にも目を通しておくと安心です。31件の時刻は午前5時40分ごろから午後10時40分ごろまで幅があり、昼の時間帯の記録も混ざっています。「明け方と夕方だけ気をつければいい」とは考えないほうが実際に近いところです。

丹沢山地に住むツキノワグマは約80頭と推定され、神奈川県のレッドデータブックでは絶滅危惧種にあたります。数としては多くありません。それでも記録が出ている場所は登山口や登山道のすぐそばで、人が歩く範囲と生活の場が重なっています。

なお、丹沢では2026年8月20日の時点で5つの区間が通行できません。寄ユーシン線(寄から雨山峠を経て雨山橋)、同角山稜線(ユーシンから同角分岐)、ユーシン塔ノ岳線(塔ノ岳から尊仏ノ土平)、唐沢黒岩線(唐沢公園橋から黒岩合流点)、札掛物見峠線(黒岩合流点から県道70号)です。これらは登山道の崩落などによるもので、クマを理由にした通行止めではありません。

大倉から塔ノ岳・丹沢山へ向かう場合の駐車場は【塔ノ岳・丹沢山】大倉の登山口駐車場ガイド|満車対策と下山後の温泉・そばにまとめています。

数字も通行止めも、見た翌週には変わります。大事なのは、自分で見に行ける場所を決めておくことです。

出発前に確かめる3つの窓口

登山道の木に取り付けられたクマ出没注意の看板

高尾山・丹沢に行く前に見るのは、次の3つで足ります。

1. 都県の出没情報

東京都は「TOKYOくまっぷ」という地図で目撃や痕跡の場所を公開しています。載っているのは八王子市・青梅市・あきる野市・日の出町・檜原村・奥多摩町。地図のほかにCSVとGPXのデータも配っているので、地図アプリに読み込んで自分のコースと重ねることもできます。

神奈川県はツキノワグマ情報のページで、年度ごとの目撃等情報をPDFにまとめています。日付・時刻・頭数・場所・山中か人里かまで1件ずつ並んでいるので、行き先の地名で探すのがいちばん早い見方です。

2. 市町村のお知らせ

都県のまとめは更新の間隔がまちまちです。八王子市のように、市が独自のページで八王子城跡の目撃を出している場合もあります。行き先の市町村名とクマで検索して、公式のページを1つブックマークしておくと次から早くなります。

3. ビジターセンターと登山道の通行情報

高尾山は高尾ビジターセンターが注意喚起や登山道の様子を出しています。丹沢・大山は神奈川県の「丹沢大山エリアの登山道通行情報」に通行できない区間が載っていて、分からないことは自然環境保全センターの自然公園課(046-248-2546)に聞けます。

見るのは出発の前夜と当日の朝の2回で十分です。全国どの山でも使える確認の手順は【2026年】クマ被害で登山道が閉鎖される山|出発前の安全チェック5ステップにまとめています。

もし山でクマを見かけたら、東京都側は市町村・ビジターセンター・東京都多摩環境事務所自然環境課へ、神奈川県側は市役所や町村役場、地域県政総合センター、最寄りの警察署へ連絡します。危険を感じたときは、どちらも先に警察です。

情報が出ている日に子連れで入るときの備え

ビジターセンターに置かれた貸出用の熊鈴

記録が出ている山に行くと決めたら、持ち物と歩き方をふだんより一段そろえておきます。装備全体の考え方は登山のクマ対策|熊鈴だけでは不十分な理由と本当に必要な装備・対処法【2026年】で整理しています。

秋は人身被害がいちばん多い時期です。子ども連れで秋に入るときにやることは子連れ登山のクマ対策|被害が最多の秋に親子でやること5つと必須グッズにまとめています。

歩いている間ずっと音を出す

子どもと歩いていると、話し声が途切れる時間がどうしても出ます。おやつを食べているとき、疲れて無口になったとき、写真を撮っているとき。そこを埋めるのが熊鈴です。

熊鈴の音が届く目安は50mから100mほど。大音量のモデルなら200mから300mとされますが、風の向き、地形、まわりの木の茂り方でかなり変わります。カーブの先、尾根の陰、笹の茂った道、沢沿いのように向こう側が見えない場所では、ホイッスルをひと吹きして先に知らせておくと確実です。

高尾山のように人の多い山では、鳴りっぱなしが気になる場面もあります。山小屋の中、休憩や食事のあいだ、登山口までの電車やバス、人が詰まっている区間、駐車場やトイレ。こういう場所で音を止められる消音つきのモデルだと、家族以外への気づかいも一緒に片づきます。

モンベルのトレッキングベル スクエア サイレントは、ベルに付いたテープの中の磁石で音を止められるモデルです。本体がスチールなので音は低め。木の多い道でも音が吸い込まれにくく、高尾山や丹沢のように樹林を長く歩く山と相性がよい鳴り方です。44gでザックのショルダーに付けっぱなしにできる大きさなので、夏休みの終わりから秋の行楽期に向けて、いま1つ用意しておくと行き先を選ぶときの気持ちがだいぶ軽くなります。

モンベル トレッキングベル スクエア サイレントの熊鈴

モンベル

トレッキングベル スクエア サイレント

スチールのベルにアルミのカラビナが付いた熊鈴。テープの中の磁石で音を止められるので、電車やバス、休憩中は鳴らさずに済みます。低めの音は木の多い道でも吸い込まれにくく、重さ44gでザックのショルダーに付けっぱなしにできます。

鈴だけで足りるのか、逆効果という話は本当かが気になる場合は熊鈴は本当に効くのか|「逆効果」と言われる理由と使い方【2026年】で論点を整理しています。

万が一のための熊スプレー

音は「会わないための道具」で、会ってしまったあとには効きません。そこを引き受けるのが熊スプレーです。

メーカーが公表している届く距離は約9.8m。風向きに注意して、クマの顔に向けて吹きかけます。相手が20mを切った時点でホルスターから抜いて構え、安全のロックを外しておくのが手順です。ここで大事なのは置き場所で、ザックの中にしまうと間に合いません。腰かショルダーハーネスの、手を伸ばせば届く位置に付けておきます。

カウンターアソールトのCA230は、その1本目に選びやすいモデルです。ホルスターが付属するので、買ってすぐ子どもと歩く体勢に持っていけます。

カウンターアソールトCA230の熊よけスプレーとホルスター

Counter Assault(カウンターアソールト)

熊よけスプレー CA230

噴射時間は7秒。3秒ずつ噴けば2回ぶんという計算になるので、引きつけてから使う前提の道具です。ザックの前面に付けられるホルスターが付属し、買ってすぐ手の届く位置に構えられます。

ほかの製品との違いや、電車・飛行機での扱いは熊スプレー4製品を比較|噴射距離と選び方、携行ルールと使い方の基本にまとめています。

歩く時間帯と、列のなかの子どもの位置

歩き出しは朝7時以降、下山は午後4時までを目安にすると、クマの活動が活発になる時間帯から外れます。子連れだと予定より時間がかかるので、逆算して行き先の距離を短くするほうが現実的です。

列は大人が前後を挟み、子どもを真ん中にします。前を歩く大人が先の様子を見て、後ろの大人が遅れをカバーする形です。並び方は子連れ登山の安全な歩かせ方|隊列と子どもの位置で落石・滑落・転倒を防ぐで細かく説明しています。

食べものは、においが漏れないように密閉して持ちます。食べ残しや皮を山に捨てるのは論外で、ゴミは全部持ち帰ります。

それでも出会ってしまったときは、走って逃げないこと、大声を出さないこと、死んだふりをしないこと、食べものを投げないことの4つを覚えておきます。逃げるものを追いかける習性があり、走っても人はかないません。死んだふりも、雑食のクマがかえって興味を持って近づく可能性があります。

距離ごとの動き方はこうです。

  • 50mより遠い 静かに後ろへ下がるか、迂回する
  • 20mから50m 正面を向いたまま、ゆっくり後退する
  • 10mから20m 熊スプレーをホルスターから抜いて構え、安全のロックを外す
  • 10mより近い 5m前後まで引きつけて、顔を狙って噴射する

この時期は、クマとは別にスズメバチにも気をつけます。山頂まわりの樹液が出ている木に集まるので、そこに長く留まらないこと。香水と黒っぽい服は避けておくと安心です。

情報が出ている日の行き先の決め方

最後に、記録を見たあとの決め方です。次の順番で考えると迷いません。

  • その週に記録が出ている地名を、コースの中に含んでいないか確かめる
  • 通行止めの区間を外して、往復で歩けるコースに組み直す
  • 人が歩いている時間帯に合わせ、早朝と夕方をコースから削る
  • 引き返す条件を家族で先に決めておく

高尾山なら、注意喚起で名前が挙がっているのは奥高尾方面です。記録が続いている週は稜線を長く歩く計画を先送りして、山頂を往復する形にとどめるほうが無理がありません。

大山まわりは、日向と七沢の側で記録が続いています。ここを登山口に選ぶ日は、時間帯をとくに絞ることになります。

引き返す条件は、足あとやふんを見つけたら先へ進まない、が分かりやすい線引きです。自治体の記録で「痕跡」として数えられているのは、まさにこうした足あとやふんが見つかった場合を指します。

行き先ごと変えるという手もあります。奥多摩・秩父側の通行止めの状況は【2026年8月】奥多摩・秩父のクマ通行止めまとめ|三頭山も解除・両神山は継続で最新をまとめているので、比べてから決めてください。

まとめ|数字を見て、窓口を決めて、時間帯で外す

  • 高尾山は奥高尾方面を中心にツキノワグマが生息し、ビジターセンターの注意喚起は8月中旬時点でも続いている
  • 東京都の地図データを高尾山の山頂から5km以内で数えると、2026年4月から6月10日までで4件、2025年度は31件
  • 八王子城跡では5月30日に1頭が目撃され、翌朝に鳴き声の報告があった
  • 神奈川県の2026年度の記録は8月24日時点で31件。うち大山が7件で、日向・七沢を足すと12件と大山まわりに集まっている
  • 記録の時刻は午前5時台から午後10時台まで幅があり、明け方と夕方だけとは限らない
  • 確認するのは都県の出没情報、市町村のお知らせ、ビジターセンターと登山道の通行情報の3つ。出発の前夜と当日の朝に見る
  • 子連れで入る日は、消音つきの熊鈴と熊スプレー、朝7時以降の歩き出しと午後4時までの下山、子どもを列の真ん中に

クマの情報は、見た週と次の週で変わります。行き先を決める前に窓口を開く。この10分が、家族で歩く日をそのまま楽しい1日にしてくれます。

※本記事の目撃情報・通行止めなどの主要情報は 2026年8月27日 に確認したものです。最新の状況は各公式サイトでご確認ください。

アイキャッチ画像:丹沢の登山口に出た熊出没注意の電光表示 撮影 Takeshi Suzuki(Wikimedia CommonsCC BY 2.0) 本文写真:高尾山頂の標識 撮影 くろふね(Wikimedia CommonsCC BY 4.0)、大山の登山道 撮影 Guilhem Vellut(Wikimedia CommonsCC BY 2.0)、クマ出没注意の看板 撮影 Guilhem Vellut(Wikimedia CommonsCC BY 2.0)、ビジターセンターの貸出用の熊鈴 撮影 ウィキ太郎(Wikimedia Commonsパブリックドメイン) 商品写真:モンベル公式サイト、カウンターアソールト公式サイト

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