「来週末に奥多摩や秩父で子どもとハイキングをする予定だけれど、クマで登山道が閉鎖されていると聞いた」「予定していたコースが今も通れるのか、別の山に切り替えたほうがいいのか分からない」と感じてはいませんか。
2026年5月、奥多摩エリアで複数の登山道が同時に通行止めになりました。きっかけは5月17日に起きた人身事故です。その後、石尾根(奥多摩駅〜六ツ石山)は6月2日に、稜線の5区間(長沢背稜など)は7月18日に、それぞれ通行止めが解除されました。7月7日から通行止めになっていた三頭山(みとうさん)の都民の森ルートも、7月31日に解除されました。いっぽうで、秩父側の両神山(りょうかみさん)は通行止めが続いています(2026年9月3日時点)。
この記事では、2026年9月3日時点で公的機関の発表から確認できる奥多摩・秩父エリアの「いま通れる区間・通れない区間」を整理しました。あわせて子連れ家族向けの行き先の考え方、出発前に必ず確認したい公式の情報源までまとめています。家族で出かける前のチェックに使ってください。
最終確認日:2026年9月3日(奥多摩ビジターセンターの登山道・道路状況一覧2026年8月15日更新分と、埼玉県の発表で確認しました。8月20日に確認したときから、通行止めの区間に変わりはありません)
2026年9月時点の通行止め状況|解除された区間と、いま通れない区間

2026年5月に通行止めになった奥多摩・秩父の稜線は、その後段階的に解除が進みました。まず解除された区間を整理します。
- 石尾根(いしおね):奥多摩駅〜六ツ石山……5月18日に通行止めとなりましたが、2026年6月2日9時に解除されました(通行可)。奥多摩町が現場周辺の警戒や追い払いを進めたうえでバリケードを撤去しています。
- 長沢背稜(ながさわはいりょう)/天目尾根(てんもくおね)/ヨコスズ尾根……5月19日に通行止めとなった奥多摩側の稜線3区間(芋木のドッケ分岐〜オハヤシノ頭、八丁橋〜天祖山〜水松山、東日原〜天目山=三ツドッケ)は、2026年7月18日に解除されました(奥多摩ビジターセンター・埼玉県の発表)。
- 熊倉山〜酉谷山/浦山大日堂〜仙元峠(秩父側)……これらは奥多摩側の長沢背稜(芋木のドッケ〜オハヤシノ頭)が通行止めだったことに伴う連動措置でした。埼玉県の発表により、親区間とあわせて2026年7月18日に埼玉県側も解除されています。
これで、5月に閉鎖された奥多摩・秩父の主要な稜線はいったん通れる状態に戻りました。7月に新たに通行止めになった三頭山も、7月31日に解除されています。ただし、別件で通行止めが続く区間が残っています。出かける前にここを必ず確認してください。
- 三頭山(都民の森ルート)……2026年7月31日に解除(通行可)。7月7日に鞘口峠(さやぐちとうげ)付近で親子のクマに遭遇した登山者が滑落し負傷したことを受け、都民の森の登山道が閉鎖されていましたが、7月31日に閉鎖が解除され、イベントも再開されています(檜原都民の森の発表)。奥多摩ビジターセンターの登山道情報でも、鞘口峠〜風張峠、ヌカザス山〜三頭山山頂はいずれも通行可となっています。ただしクマが出る山であることは変わらないため、鈴など音の出るものを家族全員で携帯し、出発前に檜原都民の森の公式サイトで最新を確認してください。
- 両神山:上落合橋(かみおちあいばし)〜山頂……通行止め継続中(クマ)。埼玉県の発表で、子グマの目撃を受けて上落合橋登山口から山頂方面が通行止めとなっています。再開時期は示されていません。日向大谷からの表参道は通行できるため、そちらへ切り替える場合の駐車場や下山後の温泉は【両神山】登山口駐車場ガイド|日向大谷の満車対策と下山後の温泉・グルメでまとめています。
東京都側は奥多摩ビジターセンター、埼玉県側は埼玉県秩父環境管理事務所が管轄しています。同じ稜線でも県境をまたぐコースが多いため、片側だけ確認すると見落としが出やすい点に注意してください。解除された稜線も、すぐ近くでクマに襲われる事故が起きた場所です。歩くなら音の出るものを家族で携帯し、最新の出没情報を確認してから出かけましょう。
クマ以外の理由で通れない区間もあります(御前山・奥多摩湖いこいの路)
2026年8月14日から、クマとは別の理由で奥多摩湖まわりの2区間が通れなくなりました。奥多摩ビジターセンターの登山道・道路状況一覧(2026年8月15日更新)で確認できます。
- 御前山(ごぜんやま):奥多摩湖〜山頂……通行止め(崩落のおそれ)。ダムの堰堤(えんてい)付近が崩れるおそれがあるためで、2026年8月14日からです。解除の時期は示されていません。同じ御前山でも、山頂から境橋の区間と湯久保尾根は通行可です。
- 奥多摩湖いこいの路:全線……通行注意(ダムの堰堤を通り抜けられません)。理由と開始日は御前山と同じです。山のふるさと村側から歩いた場合は、堰堤で折り返しになります。
クマの情報だけを見ていると、こうした崩落や工事による規制を見落とします。奥多摩へ出かける前は、クマの出没情報と登山道・道路の状況の両方に目を通しておくと安心です。
なぜ奥多摩で複数の登山道が同時に閉鎖されたのか|5月17日の人身事故が起点

奥多摩町の発表によると、2026年5月17日午前11時55分ころ、奥多摩町境にある小中沢林道(こなかざわりんどう)の終点から約500メートル先、三ノ木戸山(さぬきどやま)周辺で、登山中の単独者がツキノワグマ(成獣1頭)に襲われ重傷を負いました。被害者は熊鈴(くますず)を携行していなかったとされています。
この事故を受けて、奥多摩町・東京都・埼玉県は連携し、翌5月18日に石尾根の「奥多摩駅〜六ツ石山」を通行止めにしました。さらに5月19日には、長沢背稜・天目尾根・ヨコスズ尾根・熊倉山〜天目山・浦山大日堂〜仙元峠の5区間を追加で通行止めにしています。三ノ木戸山の周辺は石尾根の途中にあたり、現場のすぐ近くを通る登山道がまず閉鎖された格好です。
その後、奥多摩町は猟友会・警察と連携して現場周辺の警戒・追い払い・捕獲用の檻の設置などを進めました。檻ではクマを捕まえられず5月25日に撤去し、周辺のパトロールや関係機関との協議を経て、石尾根(六ツ石山〜南氷川登山口)の通行止めは2026年6月2日9時に解除されています。さらに、5月19日に追加された稜線の5区間も、その後の警戒とパトロールを経て2026年7月18日に解除されました。5月に始まった一連の通行止めは、約2か月かけて順に解けた形です。
いっぽうで、7月7日には三頭山の都民の森ルート(鞘口峠付近)で、親子のクマに遭遇した登山者が滑落し負傷する事故が起きました。これを受けて都民の森の登山道が閉鎖されましたが、こちらも安全確認を経て7月31日に解除されています。クマの出没は特定の山で一度収まっても、別の山で新たに起きるため、出かける直前まで最新の状況を確認しておくと安心です。
登山者に向けて奥多摩町からは、現場周辺のルートを避ける、一人での登山を避ける、ラジオや鈴など音の出るものを携帯する、ごみは必ず持ち帰る、出会ったら走らず静かに距離を取る、という5つのお願いが出されています。熊鈴の効果を含めた具体的なクマ対策は、関連記事の熊鈴は本当に効くのか|「逆効果」と言われる理由と使い方【2026年】でまとめています。
子連れ家族向けの行き先案|通行止め区間を避けて安全に楽しむ

奥多摩・秩父で子連れ登山を予定していた家族にとって気になるのは、「いま通れる山のうち、どこなら家族で楽しめるか」だと思います。再び歩けるようになった山と、今も通行止めの区間を避けた行き先の考え方を整理しておきます。
六ツ石山を歩きたかった場合は、石尾根「奥多摩駅〜六ツ石山」が2026年6月2日に解除され、再びこのルートから登れるようになりました。ただし、すぐ近くでクマに襲われる事故が起きた稜線です。歩くなら鈴など音の出るものを家族全員で携帯し、出発前に奥多摩ビジターセンターで当日のクマ出没情報と登山道の状況を確認してから出かけてください。
三頭山を予定していた場合は、7月31日に都民の森ルートの閉鎖が解除され、再び歩けるようになりました。ただしクマの事故が起きた直後の山なので、鈴など音の出るものを家族全員で携帯し、出発前に都民の森の公式サイトで当日の状況を確認してから出かけてください。奥多摩エリアには、御岳山(みたけさん)・大岳山(おおだけさん)など、通行止めの影響を受けていない山もあります。家族で歩いたことのある定番コースが通行止めだった場合は、無理に近いルートを探すより、行き先そのものを切り替えるほうが結果として安全に楽しめます。
ただし、通行止め区間に含まれていない山でも、近くでクマが目撃されている地域では同じ注意が必要です。出発前に該当する地域のビジターセンターや町役場のホームページで、当日のクマ出没情報と登山道の状況を必ず確認してください。子連れ登山の基本的な準備や山選びの考え方は子連れ登山のはじめ方|0歳から始められる完全ガイドで整理しています。
出発前に必ず確認したい3つの公式の情報源

今回の通行止めと解除の情報は、東京都側・埼玉県側・自治体側の複数の経路で公式に発表されています。更新のタイミングがそれぞれ違うため、計画の段階ですべてに目を通す習慣をつけておくと見落としを防げます。
- 奥多摩ビジターセンター「登山道・道路状況一覧」(https://okutamavc.ces-net.jp/info/52):東京都側の登山道情報の窓口です。閉鎖中の区間と通行可に戻った区間が随時更新され、いちばん早く最新情報が載ることが多いです。
- 東京都檜原都民の森 公式サイト(https://www.hinohara-mori.jp/):三頭山の登山ルートを含む都民の森の開閉情報が載ります。7月のクマ通行止めの解除・延長もここで確認できます。
- 埼玉県「登山・登山道に関する情報」(https://www.pref.saitama.lg.jp/soshiki/b0504/tozanjoho/index.html):埼玉県側(秩父地域)の通行止め区間と問い合わせ先(埼玉県秩父環境管理事務所、電話 0494-23-1511)が掲載されています。両神山の状況もここで確認できます。
この3つは更新のタイミングがそれぞれ違うため、いちばん早く最新の情報が載るのは現地ビジターセンターや都民の森のページであることが多いです。出発の前夜と当日の朝の2回チェックすると、急な情報の更新にも対応できます。
「ルートの安全を自分で調べる手順」をもっと詳しく知りたい方は、【2026年】クマ被害で登山道が閉鎖される山|出発前の安全チェック5ステップで5段階のチェック法を整理しています。本記事が「通行止めと解除の事例リスト」だとすれば、こちらは「次にどう調べるか」の手順書として使えます。
東京西部と神奈川側の状況は、【2026年】高尾山・丹沢のクマ出没情報|子連れで行く前に確認する手順 にまとめています。八王子市や神奈川県が出している記録の見方と、出発前に開く3つの窓口が分かります。
通行止めが繰り返される季節|2026年度のクマ規制が増えている背景

奥多摩での同時閉鎖や、その後の三頭山の通行止めは突発的な出来事に見えますが、背景には2025年度から続いているクマ被害の増加傾向があります。全国の自治体・林野庁が「人身事故が起きてから対応する」のではなく「予防的に通行止めを発令する」方向に判断軸を移してきている流れの中で、今回の奥多摩のケースもその典型と言えます。一つの区間が解除されても別の山で新たな規制が出るのは、この流れの表れです。
冬眠明けのクマの行動の特性や、子連れで春山に入るときの具体的な備えについては、子連れ登山のクマ対策|被害が最多の秋に親子でやること5つと必須グッズで整理しています。
クマ対策の全体像は登山のクマ対策|熊鈴だけでは不十分な理由と本当に必要な装備・対処法【2026年】で、熊鈴の効果や鈴・声・スプレーの組み合わせ方は熊鈴は本当に効くのか|「逆効果」と言われる理由と使い方【2026年】でまとめています。出かける前に家族で目を通しておくと安心です。
通行止めが解除された区間や、通行止め区間の外の山に子連れで入るときも、クマと出会わない・出会っても落ち着いて対処できる備えは欠かせません。まずは音で存在を知らせる熊鈴を家族全員ぶん用意しておくと安心です。

鈴と声は「事前回避」のための装備ですが、それでも遭遇してしまった場合の最後の砦がクマ撃退スプレーです。
子連れの場合、必ず親が腰のホルスターに装着して、即座に取り出せる位置に置くことが基本です。ザックの中では遭遇時に間に合いません。有効射程は製品により異なりますが、9m前後が一般的です。

使用期限(多くは3〜4年)と、機内持ち込み不可(飛行機での移動は別送)の点には注意してください。
まとめ|計画段階で20分の確認が家族の安全を守る

2026年9月3日時点で奥多摩・秩父エリアの通行止め状況と、家族で出かける前に確認したいポイントを整理しました。
- 5月に通行止めになった稜線は段階的に解除。石尾根(奥多摩駅〜六ツ石山)は6月2日、長沢背稜・天目尾根・ヨコスズ尾根など稜線5区間は7月18日に解除された
- 7月7日のクマ遭遇事故で通行止めになっていた三頭山の都民の森ルートも、7月31日に解除。いっぽうで秩父側の両神山(上落合橋〜山頂)は通行止めが続いている
- クマとは別に、御前山の奥多摩湖〜山頂と奥多摩湖いこいの路が2026年8月14日から通行止め。ダムの堰堤付近が崩れるおそれがあるため
- 一連のきっかけは5月17日午前に三ノ木戸山の周辺で起きた人身事故。被害者は熊鈴を携行していなかった
- クマの通行止めは一つの山で解除されても別の山で新たに出る。出かける直前まで最新の状況確認が必要
- 確認すべき公式の情報源は奥多摩ビジターセンター・檜原都民の森・埼玉県の3経路。出発の前夜と当日の朝に2回確認するのがおすすめ
計画の段階でこの3つの情報源を確認するのに、慣れれば20分もかかりません。家族で出かける当日に「通行止めだった」「迂回路が分からない」と困らないために、出発前夜の家族会議でぜひ習慣にしてください。
アイキャッチ画像:奥多摩の大岳山と山並み 撮影 nobuto_m(Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0) 本文写真:奥多摩の稜線に続く登山道 撮影 Guilhem Vellut from Annecy, France(Wikimedia Commons/CC BY 2.0)、秩父・武甲山の登山道に立つクマ注意の看板 撮影 Guilhem Vellut from Annecy, France(Wikimedia Commons/CC BY 2.0)、奥多摩むかし道から見た奥多摩湖 撮影 Guilhem Vellut from Annecy, France(Wikimedia Commons/CC BY 2.0)、木漏れ日の登山道 撮影 Guilhem Vellut from Annecy, France(Wikimedia Commons/CC BY 2.0)、自然環境のツキノワグマ 撮影 Alpsdake(Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0)、三頭山山頂に立つ登山者 撮影 Guilhem Vellut from Annecy, France(Wikimedia Commons/CC BY 2.0)


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