浅間山(標高2,568m/長野県・群馬県)に行こうと決めたあと、こんなところで止まっていませんか。
- 火山の規制が今どうなっているのか、自分では判断できない
- 車坂峠と浅間山荘、どちらに車を置けばいいのか分からない
- 行った日に規制が上がっていたら、そのまま帰るしかないのか不安
浅間山はいまも活動を続けている活火山で、他の百名山と大きく違うのは、その日の噴火警戒レベルによって歩ける道の先が変わることです。同じ登山口から歩き出しても、レベル1なら前掛山まで行けて、レベル2なら手前で折り返しになります。だからこそ「どこに車を置くか」が、他の山より重い意味を持ちます。
迷いをなくす順番は決まっています。行き先から決めるのではなく、その日のレベルでどこまで歩けるかを先に確かめて、そこから車を置く場所を選ぶ。この順番なら、レベルが上がった年でも計画が丸ごと消えることはありません。
この記事では、レベル別にどこまで歩けるのかという前提から、車坂峠と浅間山荘の駐車場、バスの帰りの便からの逆算、下山後の温泉と食事までをまとめました。読み終えるころには、レベルが上がっても予定が崩れない起点の選び方が分かります。
急いでいる方へ:駐車場・下山後の温泉・めし処を1画面で確認できる「百名山の駐車場・温泉・めし 早見表」はこちら
この記事は通して読まなくて大丈夫です。目次から必要な節だけ開いてください。
浅間山(黒斑山)は、その日の噴火警戒レベルで行ける先が変わります
浅間山の噴火警戒レベルは1(活火山であることに留意)です。2023年3月23日にレベル2(火口周辺規制)へ引き上げられていましたが、気象庁は2026年3月下旬以降、山体の浅いところを震源とする火山性地震が1か月平均の日回数でおおむね30回以下に減り、その他の観測データでも火山活動の高まりを示す変化がみられないとしたうえで、2026年5月22日11時00分にレベル1へ引き下げられました。約3年ぶりの引き下げです。小諸市はこれを受けて、2026年5月23日(土)から登山規制を緩和し、前掛山までの登山道を通行可能としました。
ただしレベル1は「もう何もない」という意味ではありません。気象庁は山頂火口から500mの範囲に影響を及ぼす程度のごく小規模な噴火の可能性があるとして、地元自治体の指示に従って危険な地域に立ち入らないこと、突発的な火山灰の噴出や火山ガスに注意することを求めています。
レベル別に、どこまで歩けるか
浅間山では、火口から4km以内が災害対策基本法にもとづく警戒区域に指定されていて、原則として立入禁止です。そのうえで、噴火警戒レベルに応じて登山道だけ立入りが認められるという仕組みになっています。小諸市と御代田町が、レベルごとにどの道を歩けるかを公表しています。
| 噴火警戒レベル | 黒斑コース(車坂峠から) | 火山館コース(浅間山荘から) |
|---|---|---|
| 1(活火山であることに留意) ※2026年9月3日時点はここ | 車坂峠〜槍ヶ鞘〜トーミの頭〜黒斑山〜蛇骨岳〜仙人岳〜Jバンド〜賽の河原分岐〜前掛山 | 浅間山荘〜一の鳥居〜二の鳥居〜火山館〜湯の平分岐〜賽の河原分岐〜前掛山 |
| 2(火口周辺規制) | 外輪山(トーミの頭〜黒斑山〜蛇骨岳〜仙人岳〜Jバンド)は歩ける。前掛山へ向かう道は賽の河原分岐で折り返し | 火山館から湯の平分岐まで歩ける。前掛山へ向かう道は賽の河原分岐で折り返し。草すべりから黒斑コースへ合流できる |
| 3(入山規制) | 入山できません | 天狗温泉浅間山荘から一の鳥居まで |
| 4・5 | 入山できません | 入山できません |
外輪山はレベル2でも歩けます
表で押さえておきたいのが、レベル2に上がっても、外輪山の稜線そのものは歩けたままだという点です。トーミの頭も、黒斑山も、蛇骨岳も、仙人岳も、Jバンドも、レベル2の対象に入っています。閉じるのは「賽の河原分岐から前掛山へ向かう区間」です。賽の河原分岐は前掛山へ向かうルート上の折り返し点であって、外輪山の入口ではありません。
長野県の佐久地域振興局も、おすすめコースを歩ける警戒レベルとセットで公表しています。「お手軽絶景コース」(車坂峠から黒斑山の往復)と「いいとこどり縦走コース」はレベル1でも2でも歩けて、前掛山まで行く「浅間山・活火山体感コース」だけがレベル1限定という整理です。つまり車坂峠を起点にしておけば、レベルが上がった年でも計画が丸ごと消えることはありません。
ひとつだけ注意があります。長野県は、レベル2で縦走コースを歩く場合について「仙人岳〜Jバンド〜賽の河原分岐〜湯の平口分岐にかけての登山道は、一部、火口から2km以内の距離を通ります」と書いています。この範囲では大きな噴石や火砕流への警戒が必要で、火口から2kmの距離を示す看板も立っています。該当する区域では長居をせず、異変を感じたらすぐに下山してください。
出発前に見るのは気象庁の1ページです
浅間山は、日本で最初に火山観測所が設置された山でもあり、火山活動の監視と火山情報の発表は気象庁の火山監視・警報センターが24時間体制で行っています。とはいえ火山の状況は日単位で変わります。この記事の内容も2026年9月3日時点のものです。出発前には、気象庁の「火山活動の状況(浅間山)」を開いて、いまのレベルと発表日時を確かめてください。ここを見れば、上の表のどの行を読めばよいかが決まります。
同じように噴火警戒レベルで計画が動く百名山としては、「【焼岳】登山口駐車場ガイド|新中の湯の満車対策と噴火警戒レベル・下山後の温泉」もあわせて参考になります。2026年に変わった登山まわりのルールをまとめて確認したいときは「【2026年版】今年変わった登山ルール・駐車場・料金まとめ|登山前にチェック」をどうぞ。
浅間山の登山口駐車場
| 駐車場 | 台数 | 料金 | トイレ | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| 高峰高原ビジターセンター 駐車場(車坂峠) | 30台 | 無料 | あり | 黒斑コースの登山口が目の前。利用者専用 |
| 高峰高原ホテル 駐車場(車坂峠) | 宿泊者優先 | 無料 | あり | 登山ポストがある。宿泊者が優先 |
| 高峰マウンテンパーク 駐車場(群馬県側) | 700台 | 無料 | あり | 満車のときの受け皿。登山口まで徒歩8分 |
| 浅間山荘(天狗温泉)駐車場 | 公表なし | 500円 | あり | 火山館コースの起点。民有地の有料駐車場のみ |
浅間山の登山口は、車坂峠(黒斑コース)と浅間山荘=天狗温泉(火山館コース)の2つです。車坂峠のほうは駐車場が3か所あって合わせると余裕があり、浅間山荘のほうは1か所だけで有料です。
どちらに置くかで迷ったら、レベルが上がっても計画が残る車坂峠を選ぶのが無難です。前掛山まで行きたい日は浅間山荘のほうが近道になりますが、レベル2に戻ると賽の河原分岐で折り返しになるので、山頂まで届きません。
車坂峠の駐車場|黒斑コースの起点
車坂峠は、小諸市街からチェリーパークラインを上がった終点の付近にあり、小諸ICから車45分です。峠のあたりに黒斑山の表コースの登山口があり、ビジターセンター側に少し下ったところに中コース・裏コースの登山口があります。
小諸市は、この3か所を使うよう案内しています。あわせて「林道や、道路の路肩への路上駐車は、緊急車両、路線バスの運行に支障が生じるため絶対にしないでください」「駐車場内でのテント泊はできません」とも書いています。峠には路線バスが上がってくるので、路肩は空けておいてください。
高峰高原ビジターセンター 駐車場|30台・無料・トイレあり
いちばん使いやすいのが、ビジターセンターの利用者専用駐車場です。30台・無料。館内にトイレがあり、コインロッカーも使えます。登山口が目の前なので、身支度をしてそのまま歩き出せます。
- ビジターセンターの開館:8時30分から17時00分
- ショップ:9時00分から16時30分/ギャラリー・コインロッカー:9時00分から17時00分
- ヘルメットの無料貸し出しあり
気をつけたいのが停められる時間帯です。小諸市は「開館時間帯以外は、駐車場が利用いただけませんので、高峰マウンテンパークの駐車場をご利用ください」と案内しています。夜明け前に上がって場所を押さえるという使い方はできない前提で組んでください。暗いうちから停めておきたい日は、最初から高峰マウンテンパークへ向かうのが確実です。
なおビジターセンターは冬も開いています。2025年度は11月13日から冬季営業に入り、開館8時30分から17時00分、カフェは9時00分から16時00分、木曜定休で通しています。雪の季節に黒斑山へ登る人にとって、トイレとカフェが開いているのは大きな安心材料です。ただしマイカーで上がるなら冬用タイヤかタイヤチェーンが必須だと長野県が明記しています。
冬に人が集まるのには理由があります。小諸市は「積雪期は、ガトーショコラと称される浅間山を写真に収めようと黒斑山登山やスノーシューハイクが人気です」と書いています。粉砂糖をかけたケーキのような姿を撮りに来る人が多い時期なので、駐車場の混み方は夏とは別に考えておいてください。
高峰高原ホテル 駐車場|宿泊者優先の無料駐車場
車坂峠には高峰高原ホテルの無料駐車場もあり、トイレもあります。ただしホテル利用者が優先です。登山だけで長時間停めるのは避けて、ビジターセンターが満車なら高峰マウンテンパークへ回してください。
このホテルのそばには黒斑コースの登山ポストがあります。登山計画書を紙で出す場合はここに投函します。ヘルメットの無料貸し出しもここで受けられます。
高峰マウンテンパーク 駐車場|700台・無料・登山口まで徒歩8分
車坂峠から群馬県側へ少し下ったところにある、旧アサマ2000パークのスキー場の駐車場です。700台・無料。小諸市が満車時の受け皿として名指しで案内していて、登山口まで徒歩8分としています。
トイレは、スキー場のパトロール小屋の公衆トイレが24時間使えます。ビジターセンターが閉まっている時間帯に到着する日は、駐車もトイレもここで済ませられる形です。
台数に余裕があるので、この山では「満車で停められずに帰る」という事態はまず起きません。浅間山の駐車場の考え方は、ビジターセンターが空いていればそこ、埋まっていれば徒歩8分を歩く、それだけです。
浅間山荘(天狗温泉)の駐車場|火山館コースの起点
もうひとつの起点が、標高1,400mの浅間山荘(天狗温泉)です。前掛山へ向かう火山館コースの入口で、小諸ICから車25分、小諸駅からも車25分。最後は野馬取湯の平林道に入ります。未舗装ながら道幅もあり、整備されていて走りやすい道です。
受付は5時から・500円
小諸市は「火山館コース駐車場は、民有地につき、有料駐車場のみとなります」と書いています。普通車の料金は500円で、受付は5時から。山荘の受付で支払います。台数は公表なしですが、着いたら受付に声をかければ案内してもらえます。当日の停め方に不安があるときは、山荘(0267-22-0959)に電話を入れておくと確実です。
いくつか、行ってから気づくと困る決まりがあります。
- 無料の「許可車両専用駐車場」は、遭難救助や学術研究で入山する人のためのもので、一般の登山者は使えません
- 200mほど下がったところにある駐車スペースも許可車両専用です
- 駐車場内でのテント泊はできません
- 浅間山荘に宿泊する人と、早朝登山または翌日登山の人は、駐車場を無料で使えます
登山口のトイレは冬に閉まります
小諸市は「登山口トイレについては冬期間閉鎖しますので事前に済ませてからお越しください。7時以降は天狗温泉浅間山荘で対応可能です」と案内しています。冬に7時より早く歩き出す計画なら、麓のコンビニや道の駅で済ませてから上がってください。
満車だったときの逃げ場
浅間山の満車対策は、車坂峠側であれば順番が決まっています。
- 1番目…高峰高原ビジターセンター 駐車場(30台・無料・登山口が目の前)
- 2番目…高峰マウンテンパーク 駐車場(700台・無料・登山口まで徒歩8分)
高峰高原ホテルの駐車場は宿泊者優先なので、登山だけの日は数に入れないでおくのが安全です。700台のスキー場駐車場が控えているので、この山で本当に停められなくなることはまずありません。ただし路肩に停めるのは小諸市が明確に禁じています。峠には1日2往復の路線バスが上がってくるうえ、緊急車両の通行にも影響します。
一方の浅間山荘側は駐車場が1か所だけで、代わりになる場所がありません。休日に前掛山を目指すなら、受付が開く5時に合わせて着いておくのが現実的です。
バスで行くなら、下山後に使えるのは16時20分発だけです
浅間山は、車がなくても行ける百名山です。ジェイアールバス関東の高峰高原線が、佐久平駅と小諸駅から車坂峠まで1日2往復走っています。2026年4月1日乗車分からのダイヤは次のとおりです。
| 方向 | 停留所 | 1便 | 2便 |
|---|---|---|---|
| 下り(登り口へ) | 佐久平駅蓼科口3番乗り場 | 8:40 | 14:00 |
| 小諸駅 | 9:00 | 14:20 | |
| 車坂峠・高峰高原ホテル前 | 9:34 | 14:54 | |
| 上り(帰り) | 車坂峠・高峰高原ホテル前 | 10:13 | 16:20 |
| 小諸駅 | 10:52 | 17:00 | |
| 佐久平駅蓼科口3番乗り場 | 11:10 | 17:20 |
この時刻表でいちばん大事なのは、朝の便で9時34分に車坂峠へ着いたとき、下山後に使える帰りの便は16時20分発だけになるということです。上りは10時13分発と16時20分発の2本ありますが、10時13分発は着いてから39分しかなく、歩いて戻ってくることはできません。16時20分発から逆算すると、現地にいられるのは6時間46分です。
この枠に収まるのが黒斑山の往復です。長野県が示す「お手軽絶景コース」は歩行時間が約3時間10分なので、休憩を入れても十分に間に合います。一方、前掛山は届きません。長野県の「浅間山・活火山体感コース」は、前掛山にいちばん近い浅間山荘を起点にしても歩行時間が約6時間40分で、休憩を足せば6時間46分の枠を越えます。車坂峠側からはさらに長くなるので、バスで来た日に前掛山を目指すのは無理です。前掛山まで行くなら車で来るか、麓に泊まって朝から動く必要があります。
- 運賃:小諸駅から車坂峠まで1,100円、佐久平駅から車坂峠まで1,450円(2025年4月1日改正)
- 支払い:降車時の後払い。現金または交通系ICカード。1万円・5千円・2千円の両替はできません
- 定員制です。団体やグループで使う予定なら、事前に小諸支店(0267-22-0588/9時30分から17時00分)へ連絡してください
- 列車との接続はしていません。道路や天候の状況で遅れることがあります
- 運転日:夏季は4月下旬から11月中旬、冬季は11月中旬から4月下旬(高峰マウンテンリゾートの営業期間により変わります)。冬季は高峰温泉に停まりません
歩く時間とコースの選び方
長野県が示す3つのコース
長野県の佐久地域振興局が、歩ける警戒レベルとセットで3つのコースを公表しています。
| コース | 歩けるレベル | 歩行時間 | 高低差 | ルート |
|---|---|---|---|---|
| お手軽絶景コース | レベル1または2 | 約3時間10分 | 約400m | 車坂峠〜トーミの頭〜黒斑山(往復) |
| いいとこどり縦走コース | レベル1または2 | 約5時間30分 | 黒斑山まで約400m/その先約1,000m | 車坂峠〜トーミの頭〜黒斑山〜Jバンド〜火山館〜天狗温泉浅間山荘 |
| 浅間山・活火山体感コース | レベル1のときだけ | 約6時間40分 | 約1,100m | 天狗温泉浅間山荘〜火山館〜賽の河原分岐〜前掛山(往復) |
同じ前掛山でも、どちらの登山口から歩くかで長さが変わります。長野県が示す「浅間山・活火山体感コース」は、浅間山荘から火山館を通って往復する形で歩行時間が約6時間40分。車坂峠側から前掛山へ向かう道は、外輪山をいったん越えてから湯の平へ下り、また登り返すことになるので、これより長くなります。前掛山を目指す日は浅間山荘、黒斑山までなら車坂峠、という使い分けが基本になります。
縦走コースについては、長野県が「マイカーの場合、車坂峠から天狗温泉浅間山荘への浅間山縦走マイカーお届けサービスを利用すると便利です(利用しない場合、自動車が2台必要です)」と書いています。車坂峠と浅間山荘は車25分離れているので、歩き通したあとに車を取りに戻るのは現実的ではありません。このサービスについては後半でふれます。
冬に歩くときの注意も出ています。「蛇骨岳-仙人岳-Jバンドにかけては稜線の岩場が続き、積雪期の登山には高度な歩行技術が必要です。冬の浅間山登山では、お手軽絶景コースを推奨しています」。雪の時期は縦走をやめて黒斑山の往復にする、という判断でよさそうです。
子ども連れなら高峯山か黒斑山です
車坂峠を起点にすると、子ども連れでも現実的な選択肢が2つあります。ひとつは高峯山の往復で1時間15分。もうひとつが黒斑山の往復で約3時間10分・高低差約400mです。長野県は黒斑山について「手軽に絶景を楽しめるコースであり、天候に気を付ければ、冬山初心者でも十分に楽しめます」と書いています。
黒斑山は外輪山の最高地点で、槍ヶ鞘からトーミの頭の断崖と浅間山の全体像が見えます。前掛山まで行かなくても、この山の姿はここでほぼ味わえます。稜線に出るぶん夏でも風が強く体温を奪われるので、長袖と防風のはおりものは季節を問わず持っていってください。
花を目当てに歩くのもこの山の楽しみ方です。小諸市は「浅間山、黒斑山、高峰山は、花の百名山として5-9月にかけて多種多様な高山植物をみることができるのも特長です」と紹介しています。子どもと歩くなら、山頂を目的地にしなくても、道ばたの花を探しながら進むだけで一日が持ちます。
同じ浅間山の麓で、もう少し軽く歩きたい日の行き先としては「軽井沢の子連れハイキング5選|夏の避暑にぴったりな家族おでかけスポット」も参考になります。
火山を歩く日の備え(ヘルメット・シェルター・火山館)
浅間山は、火山であることを前提にした設備が登山道に組み込まれている珍しい山です。どこに何があるかを知っておくと、当日の判断が早くなります。
ヘルメットは4か所で無料で借りられます
登山者向けのヘルメットが、次の4か所で無料で貸し出されています。
- 天狗温泉浅間山荘(火山館コースの入口)
- 高峰高原ホテル(黒斑コースの入口)
- 高峰高原ビジターセンター(黒斑コースの入口)
- 火山館
ただし小諸市は「数に限りがあるため、できるだけご自身で用意をお願いします」と添えています。休日に人数分をあてにするのは避けたほうが無難です。子どものぶんをどうするか迷ったら、「子ども用登山ヘルメット5選|岩場で必要な場面と自転車兼用の選び方」で、買うか借りるかの判断材料を整理しています。
シェルターは3か所あります
噴煙が増えたり地鳴りがしたりしたときに逃げ込むシェルター(避難壕)が、火口からの距離とセットで3か所に置かれています。
- 火山館(火口から2.3km)
- 黒斑コースの「槍ヶ鞘」の手前(火口から3km)
- 「賽の河原分岐」から「前掛山」へ向かう登山道の途中(火口から500m)
あわせて、防災行政無線のスピーカーが天狗温泉浅間山荘・高峰高原ホテル・火山館・黒斑山の山頂の4か所に設置されています。緊急時はこの放送の指示に従ってください。黒斑山の山頂にスピーカーがあるというのは、この山の性格をよく表しています。
火山館は月曜と火曜が休みです
火山館は、火口から2.3kmの地点に小諸市が置いている拠点で、市の職員が常駐して登山の案内をしています。シェルターを兼ねており、環境に配慮したバイオトイレもあります。
覚えておきたいのが毎週月曜と火曜が休館だということです。設置している電話(080-1004-7817)も、休館日と館長の不在時はつながりません。火山館コースを歩く日が月曜か火曜になるなら、トイレも問い合わせ先もない前提で計画を立ててください。
バイオトイレの設置と維持には費用がかかるため、小諸市は協力金として目安300円をお願いしています。小銭を用意しておくと迷いません。全国の山でこうした入山料や協力金がどう広がっているかは「登山の入山料・協力金はいくら?全国の導入状況まとめ【2026年】」にまとめています。
登山計画書の提出は決まりです
浅間山では、長野県登山安全条例によって登山計画書の提出が義務づけられています。黒斑コースと火山館コースはどちらも条例上の指定登山道だからです。
紙で出す場合の登山ポストは天狗温泉浅間山荘のそば(火山館コース登山口)と高峰高原ホテルのそば(黒斑コース登山口)の2か所です。用紙も置かれています。こもろ観光局は、スマートフォンの登山アプリやオンラインサービスからでも提出できると案内しているので、出発前に自宅で済ませておくのがいちばん楽です。
クマと滑落|小諸市が出している注意
小諸市が登山者向けに出している注意のうち、浅間山ならではのものが2つあります。
ひとつはクマです。火山館の周辺でクマの目撃情報があったと小諸市が公表しています(令和7年7月更新)。遭遇の可能性を下げるため、クマ鈴など大きな音が出るものを持ち、複数人で行動するよう呼びかけています。こもろ観光局も熊鈴の携行を推奨しています。クマの出没情報をどう調べて、どう判断するかは「【2026年】高尾山・丹沢のクマ出没情報|子連れで行く前に確認する手順」で手順を整理しています。
もうひとつが外輪山の稜線での滑落です。小諸市は、令和6年6月8日の午後0時35分ごろ、Jバンド上の稜線で40歳の男性がバランスを崩して転倒し、頭蓋骨と左腕を骨折する事故があったと公表しています(命に別状なし)。季節とルートによっては装備と技術が必要な場所がある、という注意とセットで出されている情報です。
積雪期についても、槍ヶ鞘やトーミの頭は絶景で知られる一方、体力を消耗して転倒・転落のリスクが高まる場所だと書かれています。とくにアイゼンを岩場に引っかけての転倒・転落事故が起きています。こまめに休んで、足元から注意をそらさないでください。
こう並べると怖く感じるかもしれませんが、裏を返せば危ない場所が具体的に分かっている山だということです。火山館には市の職員が常駐していて、黒斑山の山頂には防災行政無線のスピーカーがあります。クマ鈴を鳴らして複数人で歩くこと、稜線では足元から目を離さないこと。この2つを守るなら、黒斑山までの道は長野県が「天候に気を付ければ、冬山初心者でも十分に楽しめます」と書いているコースです。
下山後の温泉は峠の上で足ります
浅間山のありがたいところは、下山してすぐの場所に温泉があることです。車坂峠に下りれば高峰高原ホテル、浅間山荘に下りれば天狗温泉。どちらも移動時間がほぼゼロです。麓まで下りるなら、小諸市営のあぐりの湯こもろがあります。
料金は峠の2か所が大人1,000円、麓のあぐりの湯こもろが大人700円です。いずれも受付の締め切りがあるので、下山が遅れそうな日は、21時まで開いているあぐりの湯こもろに回すと確実です。
高峰高原ホテル|車坂峠すぐ・大人1,000円
黒斑コースの登山口のすぐそばに建つホテルの湯です。下山してそのまま入れる距離なので、車坂峠に車を置いた日はここが第一候補になります。
- 日帰り入浴:通年 大人1,000円/子ども500円(1名から利用可)
- 利用時間:10時00分から18時00分(受付終了は17時00分)
- フェイスタオル200円(販売)/バスタオル200円(レンタル)
- 湯上がり処:10時00分から18時00分
受付が17時で締まるので、黒斑山の往復(約3時間10分)なら余裕で間に合います。バスで帰る日も、16時20分の便に乗る前にひと風呂という組み立てが成立します。
天狗温泉 浅間山荘|赤い湯・日帰りは17時まで
火山館コースの登山口に建つ一軒宿の湯です。赤褐色の「赤湯」が名物で、弱酸性のやさしい源泉かけ流し。その昔、天狗が入ったので湯の色が赤くなったという伝説が、名前の由来になっています。
- 日帰り入浴:大人1,000円/子ども700円/幼児400円
- 受付時間:11時00分から17時00分(終了)
- 定休日:不定休
気をつけたいのが17時で終了という点です。前掛山の往復は歩行時間だけで約6時間40分あるので、休憩を入れると下山が夕方近くになります。5時台に歩き出す計画にしておくと、この枠にきれいに収まります。不定休なので、寄るつもりなら電話(0267-22-0959)を入れておくと空振りを避けられます。
あぐりの湯こもろ|大人700円・第2第4火曜休(車35分)
車坂峠から車35分、小諸市街へ下りたところにある市営の日帰り温泉です。こもろ観光局は「浅間山の山並みと小諸市内を一望できる絶景露天風呂」と紹介していて、サウナとジャグジーもあります。洗い場や脱衣所が広いので、子ども連れでも慌てずに支度ができます。峠の湯より安く、遅い時間まで開いているのが強みです。
- 入浴料:大人(12歳以上)700円/小人(6歳以上12歳未満)300円(未就学児は無料)
- 営業時間:10時00分から21時00分(最終受付20時30分)
- 休館日:毎月第2・第4火曜日(祝祭日と重なる場合はその翌日)
- 食事処:11時00分から20時00分(ラストオーダー20時00分)
2026年に設備の故障で臨時休館していましたが、5月31日に温泉と直売所、6月1日に食事の営業が再開しています。直売所が併設されているので、地元の野菜を買って帰ることもできます。
前泊すれば、朝いちの駐車場に勝てます
浅間山の駐車場の悩みは、突き詰めると「ビジターセンターの30台が埋まる前に着けるか」と「浅間山荘の受付が開く5時に間に合うか」の2つです。峠の上や登山口に前泊すれば、どちらも解決します。高峰高原ホテルは車坂峠の登山口そのもの、天狗温泉浅間山荘は火山館コースの入口そのものなので、朝は歩き出すだけです。活火山を歩く日に寝不足を抱えないというのは、そのまま安全面の利点にもなります。
宿の予約は楽天トラベル経由です。
浅間山の下山めし(車35分圏内)
下山めしも、峠の上で完結します。ただしどの店もラストオーダーが早いので、歩き終わる時刻から逆算しておいてください。
高峰高原ビジターセンターのカフェ|ラストオーダー15時
登山口が目の前という立地のカフェです。車を停めた場所でそのまま食べられるので、いちばん手数が少ない選択肢になります。
- カフェ:9時00分から16時00分(ドリンクバーあり)
- ランチ:10時00分から16時00分(ラストオーダー15時00分)
黒斑山の往復なら、朝7時台に歩き出せばラストオーダーには余裕で間に合います。冬も9時00分から16時00分で営業しているので、雪の日の下山後もここで温まれます。ただし冬季営業のあいだは木曜が定休なので、雪の季節に木曜へ行くならビジターセンター以外の当てを用意しておいてください。
高峰高原ホテル スカイラウンジ|ラストオーダー16時
ホテルのラウンジで、地ビールや高原のジュースを出しています。10時00分から17時00分(ラストオーダー16時00分)と、ビジターセンターのカフェより1時間長く開いているので、下山が遅れた日の受け皿になります。
同じ建物で入浴もできるので、風呂に入ってからラウンジでひと息、そのまま16時20分のバスに乗るという流れが、車のない日にきれいに決まります。
天狗温泉 浅間山荘|手打ちそばと天然キノコうどん
火山館コースに下りたなら、そのまま浅間山荘です。小諸産のそばを浅間山の天然水で打った自家製の手打ちそばと、キノコの出汁がきいた天然キノコうどんが看板です。
- 営業時間:10時30分から19時30分
- 席数:30席
- 定休日:不定休
19時30分まで開いているので、前掛山を往復して下山が遅くなった日でも間に合います。ただし不定休なので、当日に寄るつもりなら電話(0267-22-0959)で確認しておくと空振りを避けられます。
もっと店の選択肢がほしい日は、小諸市街まで下りるのが早道です。ホットペッパーグルメの小諸エリアから、営業時間と定休日を確かめて選べます。
浅間山のモデルタイムテーブル(車坂峠 往復・土曜)
黒斑山の往復は歩行時間が約3時間10分です。休憩を入れればこれより長くなるので、下山時刻には余裕を見ておいてください。
一日は、小諸ICからチェリーパークラインを45分上がって、ビジターセンターが開く8時30分に合わせて車坂峠へ着くところから始まります。トイレを借りて身支度をし、必要ならヘルメットも借りて歩き出す。槍ヶ鞘で浅間山が見えた瞬間から、トーミの頭の断崖を横目に黒斑山へ。昼過ぎに下りてきたら、そのまま高峰高原ホテルで湯に入り、ビジターセンターのカフェでラストオーダー15時のランチをとって帰る、というのがこの山で組みやすい流れです。
- 7:45 小諸ICを出発(車坂峠まで車45分)
- 8:30 高峰高原ビジターセンター駐車場に到着・身支度(開館8時30分)
- 9:00 登山開始(黒斑山の往復・歩行時間 約3時間10分)
- 12:40 車坂峠へ下山(歩行時間+休憩の目安)
- 13:00 高峰高原ホテルで入浴(車すぐ・受付終了17時)
- 14:20 高峰高原ビジターセンターのカフェで昼食(ラストオーダー15時)
バスで来る日は、小諸駅9時00分発に乗って車坂峠9時34分着。10時に歩き出せば、歩行時間3時間10分に休憩30分を足して13時40分ごろに下山できます。高峰高原ホテルで入浴してスカイラウンジでひと息ついたら、16時20分の便で小諸駅17時00分着。これがバス1日2往復の枠に収まる組み立てです。
同じ長野県側でチェリーパークラインのような有料でない山岳道路から入る百名山としては、「【蓼科山】登山口駐車場ガイド|七合目とすずらん峠の選び方と下山後の温泉」も、駐車場の選び分けの参考になります。
縦走したい日は、車を届けてもらえます
車坂峠から入って浅間山荘へ抜ける「いいとこどり縦走コース」は、黒斑山・蛇骨岳・仙人岳の3つのピークからの眺めと、箱庭のような湯の平を1日で味わえるコースです。ただし出口が入口と車25分離れているので、そのままだと車が2台必要になります。
これを解決するのが、こもろ観光局の「浅間山縦走マイカーお届けサービス」です。登山の前々日15時までに申し込み、車坂峠の高峰高原ホテルのフロントに鍵を預けておくと、下山時に浅間山荘の登山口へ車を届けてくれるという仕組みで、11月末まで実施されています。
浅間山荘に下りればそのまま天狗温泉に入れて、手打ちそばも食べられます。縦走したうえで下山後の動線まで完結するので、車1台の家族連れでも縦走という選択肢が現実的になります。なお朝方は稜線の一部が凍結していることがあると小諸市が注意しています。
火山と外輪山を歩く日の装備
黒斑コースは、槍ヶ鞘からトーミの頭にかけて足元が岩と砂に変わります。下りは滑りやすく、標高差400mを一気に下ることになるので、ひざへの負担をやわらげるトレッキングポールが効きます。選び方と長さの合わせ方は「【2026年】トレッキングポール おすすめ5選|初心者・子連れにもおすすめ」にまとめました。
靴は、岩と砂の上で足首が振られないミドルカット以上が安心です。「【登山靴の選び方】初心者・子連れに失敗しないミドルカット3足比較」で、選ぶときに見る場所を整理しています。
そしてもうひとつ、浅間山ではヘルメットを持つかどうかを一度考えてください。登山口4か所で無料で借りられますが、小諸市は数に限りがあるとして自分で用意することをすすめています。転んだときに頭を守れるという意味でも、火山を歩く日の1枚として検討する価値があります。
まとめ
- 噴火警戒レベルは2026年5月22日11時00分にレベル1へ引き下げられ、前掛山まで登れる状態(2026年9月3日時点)。レベル2に戻っても外輪山は歩けるので、車坂峠を起点にしておけば計画が丸ごと消えない。登山計画書の提出は長野県の条例で義務
- 車坂峠はビジターセンター30台・無料が第一候補。ただし開館時間(8時30分から17時00分)の外は使えないので、早着や満車のときは高峰マウンテンパーク700台・無料(登山口まで徒歩8分)へ。浅間山荘は有料駐車場のみで500円・受付は5時から
- バスは1日2往復。車坂峠9時34分着で、下山後に使える帰りの便は16時20分発だけ。滞在6時間46分に黒斑山の往復(約3時間10分)は収まるが、前掛山は収まらない
- 下山後は峠の上で足りる。高峰高原ホテルの入浴は受付終了17時、ビジターセンターのカフェはラストオーダー15時。遅くなったらあぐりの湯こもろ(車35分・21時まで)へ
※本記事の料金・営業時間・閉鎖情報は変更される場合があります。お出かけ前に必ず各施設の公式サイトでご確認ください。
最終確認日:2026年9月(噴火警戒レベルとレベル別の立入範囲、車坂峠と浅間山荘の駐車場、JRバス関東 高峰高原線の時刻と運賃、高峰高原ホテル・天狗温泉浅間山荘・あぐりの湯こもろの料金と営業時間を含めて確認)
アイキャッチ画像:中軽井沢から望む浅間山 撮影 Charlie fong(Wikimedia Commons/CC BY-SA 4.0)
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