【北岳】芦安・奈良田の登山口駐車場ガイド|マイカー規制と始発バス、下山後の温泉

北岳の山容と稜線、右下に北岳肩の小屋 登山口ノート
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北岳は富士山に次ぐ標高3,193mの山ですが、登山口の広河原まで自分の車では行けません。芦安か奈良田の駐車場に車を置いて、バスか乗合タクシーに乗り換えるのが前提になります。ここでつまずくと、せっかく早起きしても始発に間に合わなかったり、駐車場が満車で停める場所を探し回ったりすることになります。この記事では、2026年の公式情報をもとに、駐車場・バスの時刻と運賃・下山後の温泉までを順にまとめました。

急いでいる方へ:駐車場・始発バス・温泉を1画面で確認できる早見表『山前チェック』はこちらからどうぞ。

北岳の駐車場・アクセス一覧

広河原のバス停とインフォメーションセンターに停まる登山バス
広河原のバス停。写真: Koda6029(Wikimedia CommonsCC BY-SA 4.0)

北岳の登山口は広河原ひとつですが、そこへ通じる道は6月下旬から11月上旬までマイカー規制がかかります。規制期間以外は原則として車両が通れないため、「規制期間中にバスへ乗り換えて入る」以外の選択肢は事実上ありません。乗り換える場所は南アルプス市の芦安か、早川町の奈良田の二つです。

乗り換え地点駐車場広河原までの運賃ひとこと
市営芦安駐車場約600台・無料・24時間バス1,450円(別途 協力金300円)便数が多く、登山者の約9割がこちら
奈良田駐車場約120台・無料バス1,300円(別途 協力金300円)便数が少なく、乗り遅れると影響が大きい
夜叉神峠登山口約100台・無料・24時間ここから先はマイカー規制区間。北岳には行けません

市営芦安駐車場|約600台あっても、お盆は臨時駐車場まで回ります

地図:市営芦安駐車場(Googleマップ)

南アルプス市の公式案内では約600台・24時間利用可・無料です。数字だけ見ると余裕がありそうですが、市は「例年、バス発着所に近い順(第2、第3、第4…)から満車になる傾向があります」と書いています。つまり遅く着くほど、バス乗り場から遠い駐車場まで歩くことになります。

さらに市は「特に7月の3連休、8月のお盆休み期間は第8駐車場まで満車となる場合がございます。その際は、芦安小学校近くの臨時駐車場をご利用ください」と案内しています。混む時期は、臨時駐車場まで回る前提で時間に余裕を持たせておくと安心です。

2026年に注意したいのが、第8駐車場が落石の多発により令和8年度は閉鎖されるという点です。去年までの感覚で「いちばん奥まで行けば停められる」と考えていると当てが外れます。

奈良田駐車場|静かですが、バスの本数が少ない

地図:奈良田駐車場(Googleマップ)

早川町側の乗り換え駐車場です。早川町公式の「令和8年度南アルプスマイカー規制情報」に「芦安(約600台)、奈良田(約120台)の無料駐車場に駐車し、路線バスまたはタクシーをご利用いただくことになります」と書かれており、約120台・無料です。芦安の5分の1ほどの規模なので、混む時期は早着が前提になります。同じページには「早川町奈良田では毎年、路上駐車や、駐車場ではない所へ停める車両が多く見られます」という注意も出ています。

いちばんの違いはバスの本数です。北岳肩の小屋の公式サイトは、広河原へ入る登山者の約9割が芦安方面を使い、奈良田方面は「バス本数が少なく、利用には注意が必要です」としています。実際、奈良田から広河原へ向かう便は1日3本、広河原から戻る便も1日3本です。1本乗り遅れると次まで数時間空くので、下山の時刻に幅を持たせられない人には向きません。

夜叉神峠登山口駐車場|ここに停めても北岳へは行けません

地図:夜叉神峠登山口駐車場(Googleマップ)

約100台・24時間利用可・無料の駐車場です。名前が似ているので混同されがちですが、夜叉神ゲートから広河原までがマイカー規制の区間なので、ここに車を停めても北岳の登山口には行けません。ここは夜叉神峠や鳳凰三山へ向かう人のための駐車場です。

なお、夜叉神峠登山口までの林道は11人乗り以上の車両の乗り入れが制限されています。マイクロバスや観光バスで来る場合は、大型バス専用スペースのある市営芦安第2駐車場に停めて、バスかタクシーに乗り換えることになります。夜叉神峠登山口までは通年で自家用車が通れますが、冬期は工事や積雪で通行止めになる可能性があるため、山梨県の県営林道通行規制情報で事前に確認してください。

広河原へのバスと乗合タクシー(2026年)

2026年の南アルプス登山バスは、6月26日(金)から11月3日(火・祝)までの運行です。マイカー規制の期間もこれと同じです。なお11月3日はサイクルイベントの開催により一部の便が運休する予定になっています。

運賃とは別に、南アルプス山岳交通適正化協議会への「利用者協力金」が1人片道300円(中学生以上、小学生以下は無料)かかります。これは運賃を払うときにバス事業者がまとめて預かる仕組みなので、現地で別途窓口を探す必要はありません。こうした期間や料金は年ごとに変わるので、ほかの山とあわせて確認したい場合は【2026年版】今年変わった登山ルール・駐車場・料金まとめ|登山前にチェックもどうぞ。

甲府・芦安から広河原へ|芦安の始発は5時15分

甲府駅 発市営芦安駐車場 発夜叉神峠登山口広河原 着
05:1505:3206:13
04:3505:3005:4706:28
06:5507:5008:0708:48
09:0510:0010:1710:58
10:0511:0011:1711:58
12:0513:0013:1713:58
14:0515:0015:1715:58
広河原 発夜叉神峠登山口市営芦安駐車場 着甲府駅 着
10:0010:4111:0011:55
11:0011:4112:0012:55
12:0012:4113:0013:55
14:0014:4115:0015:55
16:3517:1617:3518:30

この表で気をつけたいのは、上の便のうちいくつかは「7月18日から8月23日までの毎日と、8月24日から11月3日までの土休日」だけの運行だということです。時刻表では印で示されていますが、どの便が該当するかは年によって変わるため、ここでは断定せず、出発前に山梨交通の時刻表で印を確認することをおすすめします。平日用と休日・夏期用で時刻表そのものが変わる点も見落としやすいところです。

運賃は大人片道1人あたり、甲府駅から広河原が2,400円、桃の木温泉・芦安駐車場から広河原が1,450円、夜叉神峠登山口から広河原が1,030円です。甲府駅から夜叉神峠登山口までは1,760円、芦安駐車場から夜叉神峠登山口までは630円になります。いずれにも利用者協力金300円が加わります。バスはJR中央線の竜王駅に近い「竜王駐車場」も経由するので、電車で来る場合の選択肢にもなります。

奈良田から広河原へ|1日3本、始発は5時30分

奈良田駐車場 発あるき沢橋広河原 着
05:3006:0306:15
08:4009:1309:25
15:3016:0316:15
広河原 発あるき沢橋奈良田駐車場 着
07:0007:1207:45
14:3014:4215:15
16:3516:4717:20

運賃は奈良田駐車場・奈良田から広河原まで大人片道1,300円で、こちらにも利用者協力金300円が加わります。この路線も一部の便に運行日の限定があり、7月1日から8月31日までの毎日と9月1日から11月3日までの土休日だけ走る便や、7月18日から8月23日までの毎日と8月24日から11月3日までの土休日だけ走る便が含まれます。3本しかないところにさらに条件が付くので、奈良田側を選ぶなら時刻表を印まで含めて読んでおいてください。

公共交通で奈良田へ入る場合は、早川町の乗合バス(身延駅・下部温泉駅から奈良田温泉)が通年で走っています。運行は俵屋観光(0556-45-2500)です。

乗合タクシー|芦安から広河原まで1,400円

市営芦安駐車場と広河原の間には、路線バスのほかに芦安観光タクシーの乗合タクシーが走っています。運賃は片道1人1,400円で、こちらも利用者協力金300円が別にかかります。バスより少し高いぶん、便の選択肢が増えます。

ただし注意点があります。南アルプス市芦安山岳館の南アルプスNETに掲載されている乗合タクシーの時刻表は2024年のもので、2026年のダイヤはこの記事を書いた時点では公表されていません。時刻をあてにして計画を組む前に、芦安観光タクシー(055-285-3555)へ直接確認してください。

北陸にもマイカー規制のある百名山があります。北岳のように期間中ずっと規制される山とは違い、白山は指定日だけの規制です。停める場所の決め方は【白山】市ノ瀬・別当出合の登山口駐車場ガイド|マイカー規制とシャトルバスで解説しています。

広河原に着いてから気をつけること

大樺沢は通行止め|白根御池ルートを使います

古いガイドブックや記録を見て大樺沢を登るつもりで来ると、現地で行き止まりになります。白根御池小屋の分岐点から二俣までの大樺沢は通行止めです。南アルプス市観光協会の告知によれば、台風などの影響で沢が増水したため仮設橋が撤去され、「沢の渡渉箇所の流れが急で、深いため大変危険です。また右岸にてやや大きな土砂崩落も確認されています」という状態が続いています。

北岳肩の小屋の公式サイトも「登山の際は、白根御池ルートから草すべりコースまたは右俣コース経由でお越しください」と案内しています。広河原から歩き出したら、まず白根御池小屋を目指す形になります。

広河原から北沢峠へは抜けられません

広河原と北沢峠を結ぶ林道は、令和元年10月12日の台風19号による被害で、当面の間、全面通行止め(歩行を含む)です。復旧の目途は立っておらず、南アルプス市営バスの運行も休止しています。仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳とつなげて歩く計画は組めません。北沢峠へ行く場合は長野県の伊那市側から入ることになります。同じように林道の状況が計画を左右する山として、【八ヶ岳・赤岳】登山口駐車場ガイド|美濃戸の満車対策と下山後の温泉・グルメも参考になります。

モデルタイムテーブル(広河原〜北岳)

広河原から北岳へは日帰りも不可能ではありませんが、始発バスで6時台に着いて最終バスの16時35分までに戻る前提になるため、余裕はほとんどありません。ここでは肩の小屋に1泊する形で組んでみます。所要時間は各公式資料の標準タイムで、休憩時間は含みません。

時刻の目安地点メモ
1日目 06:13広河原 着芦安5時15分発のバス
1日目 06:30広河原 発白根御池ルートへ
1日目 12:00〜13:05北岳肩の小屋広河原からの登りは5時間30分〜6時間35分(資料により差)
2日目 05:00肩の小屋 発山頂まで50分
2日目 05:50北岳 山頂(3,193m)富士山に次ぐ日本第2位の高さ
2日目 11:00前後広河原 着下りは4時間20分が目安。広河原発の便に合わせて調整

登りの所要時間は資料によって差があります。北岳肩の小屋の公式サイトは草すべり経由で約5時間半、右俣コース経由で約6時間としていますが、山と高原地図の情報では白根御池から草スベリ経由の登りが6時間35分、下りが4時間20分です。1時間以上の開きがあるので、遅いほうの数字で計画を組んでおくと、下山バスに間に合わないという事態を避けられます。

下山後に寄れる日帰り温泉

金山沢温泉|2026年度は月によって開く日が変わります

地図:金山沢温泉(Googleマップ)

芦安の乗り換え駐車場エリアにある南アルプス市の日帰り温泉です。公式サイトの令和8年度の案内では、営業期間は4月25日から11月29日まで。ここで大事なのが、月によって開く日が変わることです。

  • ゴールデンウィーク(4月25日〜5月6日):無休
  • 5月7日以降の5月と6月:土日祝のみ(平日は休み)
  • 7月・8月:無休
  • 9月・10月:木曜定休
  • 11月:土日祝のみ(平日は休み)

営業時間は10:30〜18:30(入場は18:00まで)で、7月・8月・9月の土日祝だけは19:30まで(入場19:00まで)延長されます。料金は大人(中学生以上)850円、子ども(小学生以上)400円、75歳以上と障がい者が375円です。南アルプス市民と市内に通学・通勤している人は大人600円・子ども300円になります。

広河原発の最終バスは16時35分で、芦安に着くのが17時35分です。この便で戻ると、金山沢温泉の入場時間18時00分にはぎりぎり間に合います。ただし土日祝以外は18時30分に閉まるので、のんびりはできません。

南アルプス温泉ロッジ 白峰会館|バス乗り場のとなり

地図:南アルプス温泉ロッジ 白峰会館(Googleマップ)

芦安のバス発着地に隣接する市の公共温泉宿です。南アルプス市の公式案内では、物販と食堂コーナーがあり、隣接して展望風呂・露天風呂があります。登山シーズンの週末は早朝レストラン(4時〜5時30分)も営業するので、始発バスに乗る前の朝食に使えます。

宿泊は原則として素泊まりのみで、予約は南アルプス山岳観光案内システム「南ぷすリザーブ」からになります。日帰り入浴の料金と受付時間は、市の公式ページにも施設の案内にも明記がありませんでした。金額を書いているサイトもありますが、裏が取れないためここでは書きません。寄る予定なら電話(055-288-2321)で確認してください。

奈良田の里温泉 女帝の湯|奈良田側に停めた日はここ

地図:奈良田の里温泉 女帝の湯(Googleマップ)

早川町営の温泉で、源泉100%かけ流しのナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉です。早川町公式によれば、営業は9:00〜19:00(最終受付18:30)で年中無休。料金は1回入浴が町外の大人700円・小学生300円、1日入浴が町外の大人1,000円・小学生500円で、小学生未満は無料です。ほうとうや特産品が食べられる食事処と休憩室もあります。

ひとつ補足です。早川町の公式ページには「改修工事に伴い2025年10月1日から2026年3月31日まで長期休業」というお知らせがそのまま残っています。この休業期間はすでに終わっており、早川町観光協会は2026年8月2日に「早川町内の観光施設や飲食店、温泉などは元気に営業しています」と掲載しています。同協会は月ごとに「早川町観光協会施設 休日表」を出しているので、行く月の休日はそちらで確かめるのが確実です。温泉の営業日が月ごとに変わる山は珍しくなく、【金峰山】大弛峠の登山口駐車場ガイド|満車対策と下山後の温泉・天丼でも同じ落とし穴を扱っています。

下山めしと前泊の宿

奈良田温泉の温泉宿と山あいの集落
奈良田温泉。写真: Yasu(Wikimedia CommonsCC BY-SA 3.0)

芦安と奈良田の周辺は、気軽に入れる飲食店が多い場所ではありません。現実的な選択肢は、バスを降りたその場にある二つです。

芦安で食べるなら白峰会館の食堂|バスを降りてそのまま

地図:白峰会館の食堂コーナー(Googleマップ)

バス発着地に隣接しているので、広河原から戻ってそのまま入れます。南アルプス市の公式案内では物販と食堂コーナーがあり、窓から山を見ながら地産地消のメニューを食べられるとされています。運転して帰る前に一息つく場所として、いちばん動線が短い選択肢です。

芦安からそのまま甲府方面へ下るなら、市街の店を使えます。山梨県のお店をホットペッパーグルメで探すと、営業時間や定休日を確認しながら決められます。

奈良田で食べるなら女帝の湯の食事処|ほうとうがあります

地図:奈良田の里温泉の食事処(Googleマップ)

奈良田側に車を置いた日は、温泉と食事を同じ建物で済ませられます。早川町公式によれば、ほうとうや特産品が食べられる食事処と休憩室があります。営業は温泉と同じ9時から19時までの枠内です。

前泊するなら芦安温泉|始発が5時15分なので現実的です

地図:芦安温泉(Googleマップ)

芦安の始発バスは5時15分です。当日の朝に自宅から向かうとかなり早い出発になるので、前の日に芦安まで入っておくと当日が楽になります。芦安温泉には旅館や民宿が集まっていて、楽天トラベルの芦安温泉の宿一覧から空きを探せます。駐車場のすぐ近くに泊まれば、朝は歩いてバス乗り場へ向かうだけです。

3,193mに登るための装備

北岳は標高3,193mで、富士山に次ぐ日本第2位の高さです。夏でも山頂付近は冷え込み、稜線に出れば風も強くなります。バスで登山口まで運んでもらえるぶん歩き出しは楽ですが、装備の中身は3,000m峰のものが必要です。何を持っていくか迷ったら、子連れ登山ギア完全ガイド|0歳〜小学生まで全部まとめで、季節ごとに何を足すかを確認しておくと抜けが減ります。

とくに大きいのが行動時間の長さです。登り5時間30分から6時間35分、下り4時間20分という数字は、途中で天気が崩れても引き返す判断ができる余裕を前提にしています。雨具と防寒着は必ず持ち、ヘッドランプも忘れないでください。

※本記事の料金・営業時間・閉鎖情報は変更される場合があります。お出かけ前に必ず各施設の公式サイトでご確認ください。

※本記事の情報は2026年8月4日に確認したものです。

まとめ

  • 広河原へはマイカーで入れません。2026年のマイカー規制と登山バスの期間は6月26日から11月3日までです
  • 芦安は約600台・無料・24時間。ただしバス乗り場に近い順に埋まり、7月の3連休と8月のお盆は臨時駐車場まで回ります。2026年度は第8駐車場が閉鎖されます
  • 奈良田は無料ですが、広河原行きは1日3本。乗り遅れの影響が大きい側です
  • 運賃のほかに利用者協力金が1人片道300円かかります(小学生以下は無料)
  • 大樺沢は通行止めで、白根御池ルートを使います。広河原から北沢峠へも抜けられません
  • 金山沢温泉は月によって開く日が変わります。9月・10月は木曜が定休です
  • 白峰会館の日帰り入浴料金は公式に明記がないため、寄るなら電話で確認してください

出発前の最終チェックに『山前チェック』

『山前チェック』は、百名山の駐車場・始発バス・下山後の温泉と食事を、山ごとに1画面でまとめた早見表です。掲載しているすべての山に最終確認日を付けているので、古い情報に振り回されずに出発前の最終確認ができます。次の山に行くときは、ブラウザのブックマークからこのページを開くだけ。行き先の山を選べば、必要な情報がすぐに出てきます。

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アイキャッチ画像:北岳の山容 撮影 拓実 橋本(Wikimedia CommonsCC BY 2.0)

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