「来週末に奥多摩や秩父で子どもとハイキングをする予定だけれど、クマで登山道が閉鎖されていると聞いた」「予定していたコースが今も通れるのか、別の山に切り替えたほうがいいのか分からない」と感じてはいませんか。
2026年5月、奥多摩エリアで複数の登山道が同時に通行止めになりました。きっかけは5月17日に起きた人身事故です。その後、現場に近い石尾根(奥多摩駅〜六ツ石山)は6月2日に通行止めが解除されましたが、長沢背稜や天目尾根など稜線の5区間は今も通行止めが続いています(2026年6月時点)。
この記事では、2026年6月時点で公的機関の発表から確認できる奥多摩・秩父エリアの閉鎖中の区間と、解除された区間を整理しました。あわせて子連れ家族向けの行き先の考え方、出発前に必ず確認したい公式の情報源までまとめています。家族で出かける前のチェックに使ってください。
2026年6月時点で閉鎖中の登山道(奥多摩・秩父の5区間)

通行止めになったのは、東京都側(奥多摩町域)と埼玉県側(秩父市・小鹿野町域)にまたがる稜線です。2026年5月19日に発表された次の5区間は、2026年6月時点でも「当面の間」として通行止めが続いています。解除の予定日はまだ示されていません。
- 長沢背稜(ながさわはいりょう):芋木のドッケ分岐〜オハヤシノ頭(2026年5月19日〜当面の間)
- 天目尾根(てんもくおね):八丁橋〜天祖山〜水松山(みずまつやま)(2026年5月19日〜当面の間)
- ヨコスズ尾根:東日原(ひがしにっぱら)〜天目山(三ツドッケ)(2026年5月19日〜当面の間)
- 熊倉山〜天目山:酉谷山(とりだにやま)方面(2026年5月19日〜当面の間)
- 浦山大日堂〜仙元峠(2026年5月19日〜当面の間)
いっぽう、いちばん最初に通行止めとなった石尾根は、すでに通行止めが解除されています。
- 石尾根(いしおね):奥多摩駅〜六ツ石山……2026年5月18日に通行止めとなりましたが、2026年6月2日9時に解除されました(通行可)。奥多摩町が現場周辺の警戒や追い払いなどを進めたうえで、通行止めのバリケードを撤去しています。町の発表では「六ツ石山山頂〜(石尾根経由)〜南氷川登山口」の区間にあたります。
東京都側は奥多摩ビジターセンター、埼玉県側は埼玉県秩父環境管理事務所が管轄しています。同じ稜線でも県境をまたぐコースが多いため、片側だけ確認すると見落としが出やすい点に注意してください。
子連れ家族に人気の石尾根「奥多摩駅〜六ツ石山」は解除されて再び歩けるようになりましたが、すぐ近くでクマに襲われる事故が起きた稜線です。歩くなら音の出るものを家族で携帯し、最新の出没情報を確認してから出かけてください。長沢背稜・天目尾根・ヨコスズ尾根はもともと縦走の経験がある中級者向けで家族登山では選びにくいルートですが、近隣の山へ縦走する計画を持っていた人は、引き続き通行止めにかかる点に気をつけましょう。
なぜ奥多摩で複数の登山道が同時に閉鎖されたのか|5月17日の人身事故が起点

奥多摩町の発表によると、2026年5月17日午前11時55分ころ、奥多摩町境にある小中沢林道(こなかざわりんどう)の終点から約500メートル先、三ノ木戸山(さぬきどやま)周辺で、登山中の単独者がツキノワグマ(成獣1頭)に襲われ重傷を負いました。被害者は熊鈴(くますず)を携行していなかったとされています。
この事故を受けて、奥多摩町・東京都・埼玉県は連携し、翌5月18日に石尾根の「奥多摩駅〜六ツ石山」を通行止めにしました。さらに5月19日には、長沢背稜・天目尾根・ヨコスズ尾根・熊倉山〜天目山・浦山大日堂〜仙元峠の5区間を追加で通行止めにしています。三ノ木戸山の周辺は石尾根の途中にあたり、現場のすぐ近くを通る登山道がまず閉鎖された格好です。
その後、奥多摩町は猟友会・警察と連携して現場周辺の警戒・追い払い・捕獲用の檻の設置などを進めました。檻ではクマを捕まえられず5月25日に撤去し、周辺のパトロールや関係機関との協議を経て、石尾根(六ツ石山〜南氷川登山口)の通行止めは2026年6月2日9時に解除されています。いっぽうで、5月19日に追加された5区間は2026年6月の時点でも通行止めが続いており、解除の時期は「当面の間」とされたままです。出かける直前まで最新の状況を確認しておくと安心です。
登山者に向けて奥多摩町からは、現場周辺のルートを避ける、一人での登山を避ける、ラジオや鈴など音の出るものを携帯する、ごみは必ず持ち帰る、出会ったら走らず静かに距離を取る、という5つのお願いが出されています。熊鈴の効果を含めた具体的なクマ対策は、関連記事の熊鈴は本当に効くのか?2026年クマ被害最悪|鈴×声×スプレーでまとめています。
子連れ家族向けの行き先案|閉鎖中の稜線を避けて安全に楽しむ

奥多摩・秩父で子連れ登山を予定していた家族にとって気になるのは、「閉鎖中の稜線を避けて、どこなら家族で楽しめるか」だと思います。再び歩けるようになった山と、閉鎖区間の外で子連れ向きの山を整理しておきます。
六ツ石山を歩きたかった場合は、石尾根「奥多摩駅〜六ツ石山」が2026年6月2日に解除され、再びこのルートから登れるようになりました。ただし、すぐ近くでクマに襲われる事故が起きた稜線です。歩くなら鈴など音の出るものを家族全員で携帯し、出発前に奥多摩ビジターセンターで当日のクマ出没情報と登山道の状況を確認してから出かけてください。
閉鎖中の稜線を避けて子連れ向きの山を選び直す案もあります。奥多摩エリアには、御岳山・大岳山・三頭山(みとうさん)など、今回の閉鎖区間に含まれていない山がいくつもあります。家族で歩いたことのある定番コースが閉鎖中だった場合は、無理に近いルートを探すより、行き先そのものを切り替えるほうが結果として安全に楽しめます。
ただし、閉鎖区間に含まれていない山でも、近くでクマが目撃されている地域では同じ注意が必要です。出発前に該当する地域のビジターセンターや町役場のホームページで、当日のクマ出没情報と登山道の状況を必ず確認してください。子連れ登山の基本的な準備や山選びの考え方は子連れ登山のはじめ方|0歳から始められる完全ガイドで整理しています。
出発前に必ず確認したい3つの公式の情報源

今回の閉鎖と解除の情報は、東京都側・埼玉県側・自治体側の3経路で公式に発表されています。更新のタイミングがそれぞれ違うため、計画の段階で3つすべてに目を通す習慣をつけておくと見落としを防げます。
- 奥多摩町ホームページ「ツキノワグマへの対策について」(https://www.town.okutama.tokyo.jp/gyosei/6/kankojoho/4157.html):人身事故の発生状況・町の対応・登山者への要請・石尾根の解除(2026年6月2日更新)が掲載されています。
- 奥多摩ビジターセンター「登山道・道路状況一覧」(https://okutamavc.ces-net.jp/info/52):東京都側の登山道情報の窓口です。閉鎖中の区間と通行可に戻った区間が随時更新されます。
- 埼玉県「登山道情報(通行止め・芋木のドッケ)」(https://www.pref.saitama.lg.jp/soshiki/b0504/tozanjoho/tsukokise/imonokidokke.html):埼玉県側の通行止め区間と問い合わせ先(埼玉県秩父環境管理事務所、電話 0494-23-1511)が掲載されています。
この3つは更新のタイミングがそれぞれ違うため、いちばん早く最新の情報が載るのは現地ビジターセンターのページであることが多いです。出発の前夜と当日の朝の2回チェックすると、急な情報の更新にも対応できます。
「ルートの安全を自分で調べる手順」をもっと詳しく知りたい方は、クマ被害で登山道が閉鎖される時代に|GW前に確認すべきルート安全チェック術で5段階のチェック法を整理しています。本記事が「閉鎖と解除の事例リスト」だとすれば、こちらは「次にどう調べるか」の手順書として使えます。
閉鎖区間が広がる季節|2026年度のクマ規制が増えている背景

奥多摩での同時閉鎖は突発的な出来事に見えますが、背景には2025年度から続いているクマ被害の増加傾向があります。全国の自治体・林野庁が「人身事故が起きてから対応する」のではなく「予防的に通行止めを発令する」方向に判断軸を移してきている流れの中で、今回の奥多摩のケースもその典型と言えます。
冬眠明けのクマの行動の特性や、子連れで春山に入るときの具体的な備えについては、子連れ登山のクマ対策|春の冬眠明けが一番危ない理由と必須グッズで整理しています。
クマ対策の全体像は登山のクマ対策7選|熊鈴だけでは不十分な理由と正しい対処法【2026年】で、熊鈴の効果や鈴・声・スプレーの組み合わせ方は熊鈴は本当に効くのか?2026年クマ被害最悪|鈴×声×スプレーでまとめています。出かける前に家族で目を通しておくと安心です。
閉鎖が解除された区間や、閉鎖区間外の山に子連れで入るときも、クマと出会わない・出会っても落ち着いて対処できる備えは欠かせません。まずは音で存在を知らせる熊鈴を家族全員ぶん用意しておくと安心です。

鈴と声は「事前回避」のための装備ですが、それでも遭遇してしまった場合の最後の砦がクマ撃退スプレーです。
子連れの場合、必ず親が腰のホルスターに装着して、即座に取り出せる位置に置くことが基本です。ザックの中では遭遇時に間に合いません。有効射程は製品により異なりますが、9m前後が一般的です。

使用期限(多くは3〜4年)と、機内持ち込み不可(飛行機での移動は別送)の点には注意してください。
まとめ|計画段階で20分の確認が家族の安全を守る

2026年6月時点で奥多摩・秩父エリアで閉鎖中の登山道と、家族で出かける前に確認したいポイントを整理しました。
- 2026年5月19日からの5区間(長沢背稜・天目尾根・ヨコスズ尾根・熊倉山〜天目山・浦山大日堂〜仙元峠)は、2026年6月時点でも通行止めが続いている
- いちばん最初に閉鎖された石尾根(奥多摩駅〜六ツ石山)は、2026年6月2日9時に通行止めが解除された
- きっかけは5月17日午前に三ノ木戸山の周辺で起きた人身事故。被害者は熊鈴を携行していなかった
- 残る5区間の解除の予定は未定。出かける直前まで最新の状況確認が必要
- 確認すべき公式の情報源は奥多摩町・奥多摩ビジターセンター・埼玉県の3経路。出発の前夜と当日の朝に2回確認するのがおすすめ
計画の段階でこの3つの情報源を確認するのに、慣れれば20分もかかりません。家族で出かける当日に「閉鎖中だった」「迂回路が分からない」と困らないために、出発前夜の家族会議でぜひ習慣にしてください。


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