那須岳(茶臼岳・1,915m)で最初につまずくのは、登りより駐車場です。標高1,465mの峠の茶屋まで車で上がれる手軽な山ですが、紅葉期は朝6時台に満車になる日があります。ロープウェイの始発が8:30であることを考えると、車で上がる人はそれより2時間以上早く動いている計算です。しかもロープウェイ山麓駅の無料駐車場は、繁忙期の土日祝に渋滞対策で施錠されます。噴煙を上げる火口を間近に見ながら、山頂まで往復2〜3時間で歩ける山なのに、停める場所でつまずくともったいない。この記事では、峠の茶屋・ロープウェイ山麓駅・県営大丸の3つの駐車場を「何時までに・どこへ」の目線で整理し、満車のときの動き方、冬に車で入れる範囲、下山後の鹿の湯と大丸温泉、那須和牛の締めまで、1日の流れがこのページだけで組めるようにまとめました。
急いでいる方へ:駐車場・下山後の温泉・めし処を1画面で確認できる早見表「山前チェック」はこちら
那須岳の登山口駐車場一覧
| 駐車場 | 台数 | 料金 | トイレ | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| ①峠の茶屋駐車場(県営) | 約166台 | 無料 | あり(2024年新設) | 茶臼岳・朝日岳への最短起点。紅葉期は6時台で満車 |
| ②那須ロープウェイ山麓駅駐車場 | 3か所 約150台 | 無料 | あり | 繁忙期の土日祝は渋滞対策で施錠される |
| ③県営大丸駐車場 | 資料により30台〜約160台 | 無料 | あり | 満車時の逃げ場。山麓駅まで登山道で徒歩20分 |
①峠の茶屋駐車場(県営)|登山口すぐ、無料で約166台
県道17号(那須高原線)の終点、標高約1,465mにある県営の無料駐車場です。那須町も「県営峠の茶屋無料駐車場」と案内しています。上段の第1と下段の第2に分かれ、第1が約120台、第2が約46台で合計およそ166台。ここから登山指導センターの前を通って峰の茶屋跡避難小屋へ上がるのが、茶臼岳にも朝日岳にも最短のルートです。2024年4月からは新しいトイレが使えるようになり、建物の中に休憩スペースと登山案内図があります。食事処の峠の茶屋は4月中旬から11月下旬の営業です。なお収容台数は栃木県・那須町の公式サイトには記載がなく、資料により166台と167台で表記が分かれます。この記事では第1約120台+第2約46台の内訳が確認できた166台を採用しました。
②那須ロープウェイ山麓駅駐車場|繁忙期の土日祝は施錠される
峠の茶屋から1km下にあるロープウェイの山麓駅で、周りに3か所・乗用車約150台分の無料駐車場があります。ロープウェイに乗れば標高1,690mの山頂駅まで約4分。2026年の営業は3月20日から12月13日まで、8:30〜16:30(上りの最終16:00・下りの最終16:20)、20分間隔の運行です。運賃は大人が往復2,000円・片道1,500円、小人(3歳〜小学生)が往復1,000円・片道750円。ここで押さえておきたいのが、夏休みの土日と秋の紅葉シーズンの土日祝は、渋滞対策でこの駐車場が施錠されるという点です。施錠中に着いてしまうと開放を待つか、1km先の峠の茶屋か1km下の県営大丸へ回ることになります。混みそうな日は、はじめから山麓駅をあてにしない計画にしておくと動きやすくなります。
③県営大丸駐車場|満車のときの逃げ場、山麓駅まで徒歩20分
山麓駅からさらに1km下、大丸温泉のそばにある県営の無料駐車場です。那須町も「峠の茶屋駐車場が満車になった場合は大丸駐車場へ」と案内していて、峠の茶屋と同じようにライブカメラで混み具合を見られます。ここから山麓駅までは登山道を歩いて約20分。上まで車で入れなかったときの受け皿として、いちばん現実的な選択肢です。トイレもあります。台数は約160台とする資料がある一方、大丸温泉旅館の公式ページには「大丸県営駐車場(30台)」と書かれていて、30台〜約160台と幅があります。栃木県・那須町の公式には収容台数の記載が見当たらず、正確な数字は確定できていません。数を当てにせず、ライブカメラで空き具合を見てから向かうのが確実です。
満車・冬期通行止め・クマに注意(いつ上がれるか)
那須岳でいちばん気をつけたいのは、紅葉期の朝の早さです。那須町は紅葉期(9月下旬〜10月下旬)の土日祝に那須岳・那須IC付近で著しい渋滞が発生すると注意を呼びかけていて、天気の良い日は第1が6時30分ごろ、第2が7時ごろに満車になったという記録もあります。ロープウェイの始発が8:30であることを考えると、車で上がる人はそれより2時間以上早く動いている計算です。峠の茶屋と大丸のライブカメラが那須町のサイトから見られるので、出発前と道中に一度確認しておくと判断が早くなります。
もうひとつが冬の通行止めです。県道17号は大丸温泉から先(ロープウェイ山麓駅・峠の茶屋登山口園地までの2.3km)が毎年冬期通行止めになります。令和6〜7年度は2024年12月9日11時から2025年3月28日11時まで規制され、3月12日にロープウェイ山麓駅までが先に解除されました。日付は年によって前後するので、冬から春先に行くなら栃木県道路保全課の冬期通行止め情報で最新を確認してください。つまり車で峠の茶屋まで入れるのは、おおむね4月上旬から12月上旬までです。
そして直近の情報として、那須町は2026年6月23日17時ごろ、峠の茶屋登山口近くの登山道でクマの目撃があったと発表しています。同じ時刻に駐車場周辺で弁当などのゴミが散乱していたことから、クマによる被害の可能性があるとして、複数人で行動すること、クマ鈴を携帯すること、食べ物やゴミの匂いを出さないよう密閉袋に入れること、ゴミを置いていかないことを呼びかけています。対策の具体的な中身は登山のクマ対策|熊鈴だけでは不十分な理由と本当に必要な装備・対処法【2026年】にまとめています。
下山後に寄れる日帰り温泉
那須温泉 鹿の湯|1,300年続く白濁の硫黄泉が500円
峠の茶屋から県道17号を15分ほど下った那須湯本にある共同浴場です。白く濁った硫黄泉が源泉のまま注がれ、湯船が温度別に分かれているのが特徴。入浴料は大人500円・小学生300円・幼児無料と、下山後にさっと寄るには手頃です。営業は8:00〜18:00(最終受付17:30・季節により変更あり)。シャンプーや石けんは使えないので、洗ってさっぱりしたい日は別の湯を選ぶことになります。湯治体験の半日券(平日1,200円・土日祝1,500円)もあり、時間に余裕がある日はゆっくり浸かる使い方もできます。
大丸温泉旅館|川がそのまま露天風呂、日帰りは3時間だけ
県営大丸駐車場のすぐそば、登山口からいちばん近い温泉です。複数の源泉が集まってできた温泉の川をせき止めた「川の湯」が、そのまま100%源泉かけ流しの露天風呂になっています。ただし日帰りで入れる時間は限られていて、受付は11:30〜14:30、終了は15:00の3時間枠だけ。料金は大人1,300円・子供(3歳〜小学生)1,000円で、フェイスタオルと湯浴み着が付きます。混浴ですが湯浴み着を着て入る形です。日帰り入浴を休む日が月ごとのカレンダーで決まっているので、出発前に公式サイトで色の付いた日を確認してください。台風・大雨・大雪・強風や清掃で露天に入れない日もあります。14:30までに下りてこられる行程かどうかが、この湯に入れるかの分かれ目です。
前泊すれば「6時台の峠の茶屋」に勝てる
紅葉期の駐車場争奪を根本から避けるなら、那須温泉郷での前泊が確実です。那須湯本から峠の茶屋までは車で15分ほどなので、6時前に宿を出れば第1駐車場に入れる可能性が高くなります。前泊すれば渋滞のピークとぶつからずに帰れるうえ、大丸温泉旅館の11:30〜14:30という短い日帰り枠にも余裕をもって間に合います。
宿の予約は楽天トラベル経由です。
下山めし(那須和牛と十割そば)
ステーキハウス寿楽 本店・山里料理とそば ほし|那須湯本で締める
しっかり食べて帰るなら、那須湯本のステーキハウス寿楽 本店。那須和牛・とちぎ和牛を扱う店で、寿楽特製手ごねハンバーグセットが1,400円、那須和牛サーロインステーキセット(100g)が3,100円、サイコロステーキセット(150g)が3,400円といった品ぞろえです。営業は昼11:30〜14:30(ラストオーダー14:30)・夜17:00〜19:00(ラストオーダー19:00)で、定休は木曜(12〜2月は水曜と木曜)。昼の部が14:30で切れるので、下山が遅れそうな日は夜の部に回すほうが確実です。
そばで軽く締めたいなら、同じ那須湯本の山里料理とそば ほし。自家製粉の十割そばを2種類打ち分けていて、山菜やきのこを使った山里料理も出す一軒です。営業は11:30〜15:00で売り切れ次第終了、定休は水曜と木曜、冬季休業もあります。営業日が限られるので、出かける前に確認してから向かうのが安心です。
モデルタイムテーブル(峠の茶屋〜茶臼岳〜朝日岳)
紅葉期は、峠の茶屋の第1に6時までに入れると準備に余裕が持てます。登山指導センターで登山届を出して樹林を抜けると、風の通り道として知られる峰の茶屋跡避難小屋。ここから右へ振れば茶臼岳(1,915m)、左へ振れば岩場の朝日岳です。茶臼岳を踏んで峰の茶屋跡へ戻り、朝日岳まで足を延ばしても、峠の茶屋へ戻るのは昼前後。11:30の受付開始に合わせて大丸温泉旅館の川の湯に浸かり、那須湯本まで下りて寿楽で那須和牛を食べて帰る、というのが一日の組み方としてきれいにはまります。ロープウェイを使う日は始発8:30に合わせればよく、山頂駅から山頂までは登り40〜60分・下り30〜45分が目安です。茶臼岳は標高1,500mより上に水場もトイレもないので、登り始める前に済ませておきます。予定どおりに下りられない日もあります。朝日岳まで回って14:30を過ぎそうなら川の湯はあきらめ、18:00まで開いている鹿の湯に切り替えれば、湯に入れずに帰る事態は避けられます。
- 5:45〜6:00 峠の茶屋駐車場着・準備(紅葉期は早着が安心)
- 6:20 登山指導センター前を出発
- 7:10 峰の茶屋跡避難小屋(風が強い日は要注意)
- 7:50 茶臼岳(1,915m)山頂
- 9:00 峰の茶屋跡へ戻り朝日岳へ
- 11:00 峠の茶屋駐車場へ下山
- 11:30 大丸温泉旅館の川の湯(受付は14:30まで)
- 13:30 那須湯本で那須和牛〜帰路
那須の稜線で快適に歩く装備
峰の茶屋跡から茶臼岳・朝日岳へ続く稜線は、風の通り道がいくつも重なる場所です。ロープウェイも強風時は運転を休止するほどで、晴れていても体感温度は一気に下がります。風を止める上着と、火山礫のざれた斜面で足首を支える登山靴があると歩きやすさが変わります。ロープウェイで山頂駅まで上がるなら軽装でいいのでは、と思うかもしれません。ただロープウェイ側も、履き慣れた歩きやすい靴・両手が空くリュックサック・雨具と防寒具・飲料水・携帯電話をそろえたうえで登るよう案内しています。靴やウェアの選び方は、子連れ登山ギア完全ガイド|0歳〜小学生まで全部まとめにまとめています。
まとめ
- 起点は峠の茶屋駐車場(県営・約166台・無料)。紅葉期は6時台で満車になるため早着が前提
- ロープウェイ山麓駅の無料駐車場(約150台)は、夏休みの土日と紅葉期の土日祝に施錠される。あてにしない計画を
- 満車なら県営大丸駐車場へ。山麓駅まで登山道で徒歩約20分
- 車で峠の茶屋まで入れるのはおおむね4月上旬〜12月上旬。冬期は大丸温泉から先が通行止め
- 下山湯は鹿の湯(500円・8:00〜18:00)か大丸温泉旅館(1,300円・受付11:30〜14:30の3時間枠)。締めは那須湯本の那須和牛か十割そば
- 2026年6月に峠の茶屋登山口周辺でクマの目撃あり。クマ鈴とゴミの持ち帰りを徹底する
※本記事の料金・営業時間・閉鎖情報は変更される場合があります。お出かけ前に必ず各施設の公式サイトでご確認ください。
最終確認日:2026年7月(峠の茶屋・ロープウェイ山麓駅・県営大丸の各駐車場、那須ロープウェイの2026年営業日と運賃、県道17号の冬期通行止め、那須町のクマ目撃情報、鹿の湯と大丸温泉旅館の料金・営業、寿楽とほしの営業を含めて検証済み)
アイキャッチ画像:栃木県 秋燃ゆる那須岳 撮影 9689tatsuya(Wikimedia Commons/CC BY 4.0)
次の山に行くときは「山前チェック」
当サイトの早見表「山前チェック」では、百名山の登山口駐車場・下山後の温泉・めし処を、情報の最終確認日つきで1画面にまとめています。山を選ぶだけで、この記事のような要点をサッと確認できます。
次の山に行くときは、ブックマークからこのページを開くだけ。山前チェックを開く(那須岳(茶臼岳)が開きます)


コメント