子どもに自分の荷物を持たせようとしたとき、こんなところで止まっていませんか。
- 何リットルを買えばいいのか、年齢との対応が分からない
- 通園・通学用のリュックのまま山に行っていいのか迷う
- すぐ小さくなるのが惜しくて、大きめを買っていいのか決められない
子どもの体格に対して大きすぎるザックは、荷物が下にたまって後ろへ引っ張られます。歩くたびに左右にぶれるので、平らな道でも歩きにくくなります。
容量の目安は、登山用品メーカーの公式サイトや登山情報サイトでおおむね共通しています。未就学児で8L前後、小学生で12L前後、小学校3年生で18L前後まで、という数字です。
この記事では、8Lから20Lまで年齢別に選べる子ども用ザックを5つと、買ったあとの背負わせ方をまとめました。読み終えるころには、我が子に合う1つと、登山口で数分でできるベルトの合わせ方が分かります。
子ども用ザックは容量・軽さ・チェストベルトの3点で選ぶ

子ども用ザック選びで最初に決めるのは容量です。年齢と体格に合う容量まで絞れば、候補は一気に減ります。
年齢と容量の対応は、次の表がめやすになります。
| 年齢のめやす | 容量のめやす | 入れるもの |
|---|---|---|
| 2〜3歳から園児 | 8〜10L | 水筒とおやつ |
| 年長から小学校低学年 | 12L前後 | 水筒・おやつ・上着 |
| 小学校低学年から中学年 | 15L前後 | 水筒・おやつ・着替え |
| 小学校中学年 | 18L前後 | 自分の行動食と雨具 |
| 小学校中学年以上 | 20L前後 | 自分の装備一式 |
同じ学年でも体格の差は大きいので、身長と背中の長さで前後させてかまいません。その年齢でどれくらい歩けるかとあわせて考えたいときは、子連れ登山は何歳から?年齢別ガイド|0歳〜小学生の歩ける距離と装備で年齢帯ごとの距離の目安を整理しています。
普段のリュックでも歩けるが、体に合っていないものは避ける
登山専門のモデルでなければ歩けない、ということはありません。ただし、ショルダーの紐が細すぎるものや、体の大きさに合っていないものは避けます。
紐が細いと肩に食い込み、荷物が軽くても痛みが出ます。体に合っていないと背中で揺れ続け、そのぶん余計な力を使いながら歩くことになります。
生地も見ておきたいところです。雨に強いナイロン素材なら、急な雨で中身がぬれる心配が減ります。
大きめを買って長く使うより、今の体格に合う容量を選ぶ
長く使いたい気持ちから、ひとつ上のサイズを選びたくなります。ただ、必要以上に大きなザックは背負わせないほうが歩きやすくなります。
容量に対して中身が少ないと、荷物が底にたまって重心が下がります。すると背中の下側から後ろに引っ張られる形になり、バランスを取りにくくなります。
どうしても余裕を持たせたいときは、側面のベルトで本体を締め上げられる(コンプレッションできる)モデルを選びます。中身が少ない日でも、荷物を上のほうに寄せて固定できます。買う前に背負わせて、体に合うかを確かめておくと確実です。
選ぶときに見るのはこの5つ
- 年齢と体格に合った容量:上の表を目安に、今の体格で選ぶ
- 本体の軽さ:空の状態が軽いほど、入れられる中身が増える
- チェストベルト(胸ベルト):肩からのずり落ちを止める。子ども用では特に重要
- 開口部の広さ:大きく開いて開け閉めしやすいと、子どもが自分で出し入れできる
- 安全まわりの装備:反射材、名前タグ、防犯ブザー用のフックがあると安心
もうひとつ、子ども自身が気に入る色や柄かどうかも見ておきます。気に入ったザックなら、自分から背負おうとしてくれます。
なお、親が背負うほうは日帰りで20〜30Lを用意し、子どもの荷物を引き取る余裕を残しておきます。親側のザック選びは子連れ登山リュック おすすめ比較【容量・背負いやすさで選ぶ完全ガイド】で容量と背負いやすさから整理しています。
親側のザックでミステリーランチを候補に入れている場合は、一般向けラインが生産終了になり在庫限りになっています。用途別の絞り込みはミステリーランチ生産終了、結局どれを買う?9モデル比較と在庫の残り方で整理しています。
ここからは、容量の小さい順に5つ紹介します。気になる容量から読んでください。
- 【8L】ザ・ノース・フェイス ホームスライス|3〜5歳の山デビューに
- 【12L】コロンビア キャッスルロックユース12L|年長から小学校低学年に
- 【15L】モンベル フィールドパック Kid’s 15|低学年から中学年の軽さ重視に
- 【18L】コロンビア キャッスルロックユース18L|小学校中学年の雨対策まで
- 【20L】ザ・ノース・フェイス テルス20(キッズ)|高学年の日帰り登山に
【8L】ザ・ノース・フェイス ホームスライス|3〜5歳の山デビューに

3歳前後の子に「自分の荷物を持ってみる?」と声をかけると、たいてい嬉しそうに背負います。ところが大人用の小さめリュックを渡すと、肩からずり落ちて数分で嫌になってしまいます。
この年齢に必要なのは、容量より先に「体から離れないこと」です。ホームスライスは8Lで重さ約220g、面ファスナー式のチェストストラップが付いています。胸で留められるぶん、小さな体でも肩ひもが外に開きにくくなります。
背面とショルダーハーネスは柔らかく、水筒とおやつを入れるくらいならそのまま歩けます。本体には再帰反射材、内側にはネームホルダーが付いています。色は7種類そろっているので、子どもが自分で選ぶ楽しみもあります。
山デビューの日に「自分のカバンで来た」という気持ちを作れるのが、この1つの役目です。価格は8,030円(税込)です。
8Lで8,000円台は、通園用のリュックと比べると高く感じるかもしれません。ただ、この時期に体から離れないものを選べるかどうかで、山を「楽しかった」で終われるかが変わります。公園やおでかけでもそのまま使えるので、山の日だけの出番にはなりません。

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
ホームスライス(キッズ)8L
重さ約220gの8Lモデル。面ファスナー式のチェストストラップを胸で留められるので、小さな体でも肩ひもが外に開きにくくなります。柔らかい背面と再帰反射材、ネームホルダー付きで、山デビューの1つ目に向いています。
山デビューでは、足元も同じくらい歩きやすさを左右します。2〜8歳向けの選び方は【2026年】子ども用登山靴おすすめ3選|2〜8歳向け選び方も解説にまとめています。
【12L】コロンビア キャッスルロックユース12L|年長から小学校低学年に

年長くらいになると、水筒とおやつだけでは足りなくなります。脱いだ上着、拾ったどんぐり、ひざ掛けのタオル。8Lだとすぐにあふれます。
小学生の目安である12L前後に上げると、この「増えた分」が収まります。キャッスルロックユース12Lは12L・380gで、34cm×26cm×11cmと小学校低学年の背中に収まる大きさです。
チェストストラップにはホイッスルが付いています。はぐれたときに子どもが自分で音を出せるので、装備をひとつ減らせます。フロントパネルとショルダーハーネスにはリフレクターがあり、日が傾いた下山でも見つけやすくなります。
両サイドにはボトルが入るメッシュポケットがあり、水筒を自分で出し入れできます。生地は420D HD OXのナイロンで、通気性のある背面構造です。価格は6,490円(税込)と、この容量帯では手が届きやすい部類に入ります。
「数年で小さくなるのに」と迷うところですが、12Lは遠足や習い事の荷物もひととおり入る大きさです。山に行かない週末も出番があるので、使い切れずに終わることはあまりありません。

Columbia(コロンビア)
キャッスルロックユース12Lバックパック
12L・380gで小学校低学年の背中に収まるサイズ。ホイッスル付きのチェストストラップとリフレクターを備え、両サイドのメッシュポケットに水筒を自分で出し入れできます。上着が増える年長からの1つに。
【15L】モンベル フィールドパック Kid’s 15|低学年から中学年の軽さ重視に

容量を上げると、たいてい本体も重くなります。15Lまで来ると500g台のモデルも多く、中身を入れる前から肩に乗る重さが増えていきます。
フィールドパック Kid’s 15は、15Lで291gです。空の状態が軽いぶん、同じ「背負える重さ」の中で入れられる中身が増えます。歩ける距離が伸びてきた低学年から中学年に向く1つです。
生地は210デニールのナイロン ダブルリップストップで、ウレタンコーティングが施されています。高さ40×幅26×奥行き16cmで、背面寸法は40cmです。
チェストサポートは高さを上下に調節できます。本体が何かに引っかかったときに首が締まらないよう、力が加わると外れる安全設計になっているのも、子ども用ならではの配慮です。反射テープと反射ロゴ、防犯ブザー用のフック、ネームタグもそろっているので、山だけでなく普段の外出にも使えます。価格は7,200円(税込)です。
15Lは低学年から中学年まで、数年にわたって使える容量です。1年ごとに買い替えることを思えば、この価格帯でも割高にはなりません。

mont-bell(モンベル)
フィールドパック Kid’s 15
15Lで291gと軽く、空の重さが少ないぶん中身に余裕が生まれます。高さ40×幅26×奥行き16cm。上下に調節できるチェストサポート、反射テープ、防犯ブザー用フック付きで、歩ける距離が伸びた低学年からの1つに。
【18L】コロンビア キャッスルロックユース18L|小学校中学年の雨対策まで

小学校中学年になると、自分の雨具を自分で持てるようになります。ここで容量が足りないと、結局は親のザックに戻ってきます。
この年齢の上限とされるのが18L前後です。キャッスルロックユース18Lは18L・490gで、40cm×28cm×17cm。雨具と行動食を入れても余裕が残ります。
特徴は撥水機能(オムニシールド)です。急な雨で表面がぬれても、中の着替えや行動食に届くまでに時間の余裕ができます。子どもは雨具を出すのが大人より遅れがちなので、この差がそのまま効きます。
ホイッスル付きのチェストストラップとリフレクターは12Lと同じ仕様で、フロントと両サイドにメッシュポケットが付きます。12Lから買い替えるときに、使い方を覚え直さずに済むのも利点です。価格は7,590円(税込)です。
12Lを買ったばかりだと、もう1つ増やすことにためらいが出ます。ただ18Lは中学年から高学年の入り口まで使えるうえ、撥水がある分、雨の日に中身をぬらす失敗も減らせます。買い替えるなら、雨具を自分で持ち始めるこの時期が区切りになります。

Columbia(コロンビア)
キャッスルロックユース18Lバックパック
18L・490gで、雨具と行動食を自分で持てる容量。オムニシールドの撥水機能を備え、急な雨でも中身に届くまで余裕があります。ホイッスル付きチェストストラップとリフレクターは12Lと共通仕様です。
【20L】ザ・ノース・フェイス テルス20(キッズ)|高学年の日帰り登山に

小学校中学年以上になると、自分の装備一式を持って歩けるようになります。ここまで来ると、必要なのは容量ではなく背負い心地のほうです。
テルス20(キッズ)は20L・約650gで、小学生から使える登山用のつくりになっています。背面パネルはEVAフォームとメッシュで組まれていて、汗をかく季節でも背中に熱がこもりにくい構造です。
収納式のウエストハーネスが付いているのが、ここまでの4つとの大きな違いです。腰で荷重を受けられるので、肩だけで支える状態から抜け出せます。荷物が増える日帰り登山では、この差が終盤の歩き方に出ます。
フロントポケットの内側にはレインカバーが内蔵されています。降り出したときに、別売りのカバーを探さずその場で掛けられます。チェストストラップのバックルはホイッスル兼用で、一定の荷重が加わると自動で外れます。価格は16,830円(税込)です。
5つの中では一段高く、ここで手が止まる価格です。ただ腰ベルトと背面の作りは、あとから付け足せない部分でもあります。子どもの荷物がまだ水筒と行動食だけなら18Lまでで足ります。自分の雨具と防寒着まで持つようになったら、この1つに切り替えるとその日の後半の歩き方が変わります。

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
テルス20(キッズ)20L
20L・約650gの登山用モデル。収納式ウエストハーネスで腰にも荷重を分けられ、EVAフォームとメッシュの背面パネルで熱がこもりにくい構造です。フロントポケット内側にレインカバーを内蔵しています。
子どもへのザックの背負わせ方と荷物の入れ方

買っただけでは、まだ半分です。ザックは合わせ方で背負い心地が変わります。登山口で数分あればできるので、歩き出す前に整えておきます。
荷物の重さは子どもの体重の15%までにとどめる
子どもが背負う重さは、体重の15%を超えないようにします。体重20kgなら3kgまでが目安です。
実際には、そこまで入れる必要もありません。中身はおやつや着替え程度で十分で、残りは親のザックが引き受けます。少し中身が入っていること自体に意味があり、転んだときには背中のクッションにもなります。
途中で子どもが「重い」と言い出したら、その場で中身を減らします。持たせ切ることより、最後まで自分の足で歩けることを優先します。
ベルトは腰・肩・胸の順に締める
まず、ザックを背負う位置を決めます。底が腰のくぼみに収まり、上端が肩から3〜5cmほど下に来る位置が適切です。肩ひもは必ず両肩で使います。片方だけに掛けると、その側の筋肉に負担が集まります。
位置が決まったら、ベルトは次の順番で締めます。
- 腰のベルト:腰骨を包み込む位置(おへその高さ)で固定する
- 肩のベルト:肩まわりに沿わせ、たるみをなくす
- 荷重を引き寄せるベルト:付いていれば、荷物を背中側に寄せる
- 胸のベルト:鎖骨の少し下、または脇の下の高さで水平に留める
この順で締めると、ザックが体に近づいて重さが分散されます。背負った状態で、肩ひもの付け根が肩甲骨のあたりに来ていれば合っています。ウエストのベルトが骨盤より上にずり上がっていたり、肩とひもの間に隙間ができていたら、サイズが合っていない合図です。
下ろすときは逆の手順で、すべてのベルトを緩めてから片腕ずつ抜きます。緩めずに引き抜こうとすると、肩やひじを痛める原因になります。
重いものは背中側の上のほうへ入れる
入れる順番でも、感じる重さは変わります。軽いものを下に、重いものを上にすると重心が保ちやすくなります。
高い位置に重いものがあると、その重みが足のほうにまっすぐかかります。結果として疲れにくく、歩きやすくなります。一番重いものは体に近い側へ寄せ、残りは左右で均等になるように分けます。
ここまで整えても子どもの足が止まるときは、重さ以外に理由があるかもしれません。子連れ登山で子どもが歩かない時の対処法|ペース配分と声かけのコツで、ペース配分と声かけの側から対処法をまとめています。
荷物の次に迷いやすいのがトレッキングポールです。必要かどうかの判断と身長別の長さは子ども用トレッキングポールは必要?|大人用との違いと身長別の長さで解説しています。
まとめ:子ども用ザックは年齢に合う容量から選ぶ
子ども用ザックの選び方と背負わせ方を、最後に整理します。
- 容量のめやすは、園児で8〜10L、年長から低学年で12L前後、中学年で18L前後、中学年以上で20L前後
- 大きすぎるザックは荷物が下にたまってぶれるので、今の体格に合う容量を選ぶ
- チェストベルト(胸ベルト)は、子ども用では容量より優先して確認する
- 背負う重さは体重の15%まで。中身はおやつと着替え程度で十分
- ベルトは腰・肩・胸の順に締め、重いものは背中側の上のほうへ入れる
山デビューの8Lから、自分の装備を持てる20Lまで、子どもの背中は数年で変わっていきます。今の体格に合う1つを選べば、次の山からは親のザックが少し軽くなります。
※本記事に記載した価格は2026年8月時点のメーカー公式サイトの税込価格です。


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