どんぐり拾いはどこならOK?拾ってよい場所と持ち帰りの決まり|子連れの秋

雑木林の道でどんぐりを拾う親子 子連れ登山ガイド
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「子どもとどんぐり拾いに行きたいけれど、山や公園のどんぐりを勝手に持ち帰っていいのか分からない」という方に向けた記事です。この記事では、国立公園・国有林・公園・私有地の山など場所の種類ごとに、どんぐりを拾ってよいかを公式の決まりをもとに整理し、持ち帰る量の考え方や虫の処理、東京の森の公園2か所も紹介します。どんぐり拾いに全国共通のルールはなく、同じ市の中でも公園の種類や決まりで答えが変わるので、まずは次の早見表で行き先を確かめてください。

場所どんぐりを拾ってよいか
国立公園・国定公園の特別保護地区許可がなければ不可(落ち葉や落ちた枝も対象)
国立公園・国定公園の特別地域植物の採取に制限があるので拾わない
国有林無断の持ち帰りは不可
私有地の山(自然公園でない低山を含む)持ち主の許可がなければ不可
横浜市の公園落ちているものは持ち帰り可(条件つき)
横浜市の市民の森持ち帰り不可
都立公園公園ごとに違うので管理所に確認
国営昭和記念公園植物の採取は禁止
神社・寺の境内神社・寺に確認

どんぐり拾いの決まりは「場所の種類」で変わる

登山道の脇に落ちたどんぐりを眺める親子

どんぐりの扱いは、その土地が誰のもので、どんな決まりで守られているかによって変わります。

国立公園・国定公園は、落ち葉を拾うにも許可が要る場所がある

自然公園法では、国立公園・国定公園の中でも特に厳しく守られている「特別保護地区」で、植物を採ることや、落ち葉・落ちた枝を採ることに許可が必要と定めています。許可を出すのは、国立公園なら環境大臣、国定公園なら都道府県知事です。落ち葉1枚まで対象になる場所なので、落ちているどんぐりも拾わないのが安全です。

その外側の「特別地域」でも、環境大臣が指定した植物を採ったり傷つけたりするには許可が要ります。有名な山の多くは、特別保護地区か特別地域に含まれています。山の上のどんぐりは、見て楽しむだけにしましょう。

山の多くは誰かの持ち物。国有林・私有林は無断で持ち帰らない

関東森林管理局は、国有林で木や山菜、きのこ、石などの産物を無断で採ると「森林窃盗等に問われることもあります」と注意しています。

自然公園ではない低山には自然公園法の決まりはかかりません。山の植物は土地の持ち主のものなので、無断で採ると森林窃盗などに問われることがあります。丘陵のハイキングコースにも保全地域や私有地があるので、どんぐりを探して道から外れ、林の中へ入らないようにしてください。

公園は「公園の種類」と「その公園の決まり」で変わる

公園の扱いは、同じ市の中でも分かれます。分かりやすいのが横浜市です。

  • 横浜市の公園:「公園内のどんぐりなどの木の実は、落ちているものであれば拾って持ち帰っても構いません」(横浜市)
  • 横浜市の市民の森:木の実などを持って帰ってよいかという問いに、答えは「持ち帰らないでください」。市民の森は土地の持ち主の好意で開放されている森です
  • 横浜市の舞岡公園:市の公園ですが、公園独自に「持ち出さない、持ち込まない」を決まりにしています

東京都の都立公園は、条例で植物の採集に知事の許可が必要と定めています。都のよくある質問では、植物採集について「公園環境の保全の妨げとなる行為や商業用の採集は禁止しております。詳細につきましては、各公園の管理所までご確認ください」と答えています。落ちたどんぐりを少し拾うことを認める・禁じるという明記はなく、公園ごとの確認が必要です。

実際に、都立の野山北・六道山公園は「植物や昆虫などを持ち帰ったり、傷つけないでください」としています。国の公園である国営昭和記念公園も、植物や昆虫の採取を禁止しています。

神社・寺の境内は、神社やお寺に聞いてから

境内は神社やお寺の敷地なので、私有地と同じように考え、拾う前に社務所や寺務所でひと声かけましょう。山の植物を大切にする考え方は【山で子ども博士】花編 山で見つけたい花10選と大切にしたいことでも紹介しています。

拾ってよい場所でも守りたい4つのこと

子どもの手のひらにのせた数個のどんぐり

横浜市は、公園のどんぐりの持ち帰りを認めたうえで、次のような配慮を求めています。拾ってよい場所でも、この4つを親子の約束にしておくと安心です。

  1. 拾うのは、地面に落ちているものだけ
  2. 木になっている実を、枝ごととらない
  3. 仕事や商売のために大量に持ち帰らない
  4. ほかの人が拾っていたら譲り合う

横浜市の公園では仕事や商売のための大量の持ち帰りを、都立公園では公園の環境を損なう採集や商業用の採集を禁じています。拾ってよい場所でも、家で遊ぶぶんだけにしておくと安心です。

少しだけにしたい理由もあります。横浜市は、木の実や枯れ枝も森に暮らす生きものが利用すると説明しています。東京都町田市の小山内裏公園では、コナラが木の病気(ナラ枯れ)で多く枯れていて、公園ではどんぐりから次の世代の苗を育てています。どんぐりは、森の次の木になる種でもあります。

迷ったときは「看板を見る、管理所に聞く、分からなければ拾わない」の順で決めましょう。保護区や立ち入り禁止の場所には、どんぐりが落ちていても入らないでください。

どんぐり拾いに歩ける東京の森の公園2か所

秋の雑木林の園路を歩く親子

ここでは、公園の公式ページにクヌギやコナラなどどんぐりのなる木が載っている都立公園を2か所紹介します。都立公園は公園ごとに扱いが違うので、拾う前に管理所へひと声確かめてください。

長沼公園・平山城址公園(東京都八王子市)

長沼公園の雑木林と園路

長沼公園は、高低差が100mにもなる丘陵の北斜面にある公園です。公園全体をクヌギやコナラが中心の深い雑木林がおおい、沢沿いには10m以上の崖もあって、自然の山道と変わらない雰囲気が味わえます。となりの平山城址公園も、クヌギやコナラの雑木林が中心です。

京王線の長沼駅から長沼公園の頂上園地を通り、平山城址公園を抜けて京王堀之内駅まで歩くと、約7.1km・2時間30分ほど。長沼駅から頂上園地までは約40分なので、小さい子は頂上園地まで行って戻るだけでも十分です。途中に市街地へ下りる分かれ道がいくつもあり、分けて歩けます。

行き方長沼公園:京王線「長沼」から徒歩5分/平山城址公園:京王線「平山城址公園」から徒歩20分
駐車場長沼公園:10台・9時〜16時30分・無料/平山城址公園:なし
トイレ長沼公園の頂上園地にあり(断水のお知らせが出ることがあるので公園のお知らせで確認)
入園料無料・常時開園
問い合わせ桜ヶ丘公園サービスセンター 042-375-1240(両公園とも)

尾根道はやや健脚向きです。長沼公園のカタクリの保護区は、観察会の2日間以外は閉鎖されています。園路の通行止めは公園のお知らせで確認してから出かけましょう。

小山内裏公園(東京都町田市・八王子市)

小山内裏公園の大田切池

小山内裏公園は、公式のお知らせで「いろいろなどんぐりが見られます」と紹介している公園です。丸いクヌギ、細長いコナラ、常緑樹のシラカシやアラカシ、実全体が殻斗(かくと・どんぐりの帽子の部分)に包まれるスダジイと、何種類ものどんぐりを見比べられます。

園内には、昔からの自然を守るための4つのサンクチュアリ(保護区)があり、ここには入れません。

行き方京王相模原線「多摩境」から徒歩10分
駐車場23台・9時〜17時(夜間閉鎖)・無料
トイレパークセンター・大田切池付近・西展望広場など園内に複数
入園料無料・常時開園
問い合わせ小山内裏公園パークセンター 042-676-8865

秋の山歩き全体の注意点は秋の子連れ登山はベストシーズン|夏と比べた気温・虫・景色と3つの注意点にまとめています。

拾ったどんぐりの見分け方と、持ち帰った後の虫の処理

拾ったどんぐりを虫眼鏡で見比べる子ども

よく拾える4種類は、大きさと帽子の模様で見分ける

東京都公園協会の解説をもとに、関東の雑木林や公園でよく見かける4種類の見分け方をまとめました。

クヌギ・コナラ・シラカシ・アラカシのどんぐりの見比べ
  • クヌギ:直径3cmほどで丸い。帽子(殻斗)は紙のように裂けて反り返る。冬に葉が落ちる木
  • コナラ:直径2cmほどで細長い。帽子はうろこ模様。冬に葉が落ちる木
  • シラカシ:直径1.5cmほどで細長い。帽子は横じま模様。1年中葉がある木
  • アラカシ:直径1.5cmほどで細長く、実の表面に縦じまが目立つ。帽子は横じま模様。1年中葉がある木

スダジイの実は、正面から見るとふんわりした三角すいの形です。

拾ったどんぐりの名前を親子で調べたいなら、原寸大の写真で見比べられる図鑑が1冊あると盛り上がります。

どんぐりハンドブック

文一総合出版

どんぐりハンドブック

日本のどんぐり22種を、イラストと原寸大のどんぐりや葉の写真で見分けられる新書判の図鑑。拾ったどんぐりを使った遊びも載っていて、拾ったあとの親子の時間も楽しめます。

持ち帰ったら、冷凍して虫を出さない

拾ったどんぐりを部屋に置いておくと、中から白い幼虫が出てくることがあります。正体はシギゾウムシの仲間の幼虫で、どんぐりを食べて育ち、さなぎになるために外へ出てきます。滋賀県のびわこ文化公園がクラフト体験のために行っている処理の手順は、次のとおりです。

  1. 割れているものや穴が開いているものを取り除く
  2. 深めの容器で水に沈め、浮いてきたもの(中に虫がいる可能性が高い)を取り除く
  3. 水気をふいて密封できる袋に入れ、冷凍庫で1週間以上凍らせる
  4. 新聞紙の上などに並べ、日陰の風通しのよい場所で数日乾かしてカビを防ぐ

全部で2週間ほどかかります。工作に使うのは、この処理が終わってからにしましょう。拾ったどんぐりを観察して記録に残すなら夏休みの自由研究は登山で|親子でできる山の観察テーマ7つと記録のコツの記録のコツも使えます。

どんぐりの森で気をつけたい4つの危険

長袖と帽子で雑木林の道の真ん中を歩く親子

どんぐりの多い秋の雑木林では、次の4つに気をつけましょう。

クマ:どんぐりの多い森はクマの食事場所

秋のツキノワグマは、昼間からどんぐりやブナの実を食べていることが多くあります。東京都でも八王子市を含む多摩西部にツキノワグマがすんでいて、どんぐりが実る秋に山の上での目撃が増えています。行く前に地域のクマの情報を確かめ、音を出しながら歩きましょう。詳しくは【2026年】秋のクマ対策|ドングリ豊作の年でも子連れで気をつけることにまとめています。

ハチ:9〜10月は特に注意

丘陵のハイキングでは、道沿いの木の樹液にハチが集まっていることがあり、特に9〜10月は要注意です。巣を見つけたら刺激しないように、大きく回り道をして離れましょう。刺されないための行動は登山のスズメバチ対策|秋に刺されない4つの行動と子連れでの注意点で紹介しています。

カエンタケ:木の根元の赤いキノコに触らない

どんぐりのなる木が枯れるナラ枯れが広がり、枯れた木の根元に猛毒のキノコ「カエンタケ」が生えることが増えています。色は真っ赤で、人の指のような形。食べると命に関わることがあり、汁に触っただけで皮膚が炎症を起こすこともあります。東京の町田市や八王子市でも見つかっています。木の根元で拾う前に、赤いキノコがないか見てください。子どもへの伝え方は【山で子ども博士】きのこ編 触らない・食べないを楽しく学ぼうが参考になります。

マダニ:ヤブに入らず、肌を出さない

マダニは、気温が15℃を上回る3月から11月ごろに活発に動きます。草木の茂ったけもの道(動物が通ってできた細い道)やヤブの中は特に要注意です。首にタオルを巻くなど、肌を出さない服装で出かけましょう。

4つの危険は「どんぐりは道の上か、道のすぐ脇で拾う」と決めておくだけで、まとめて避けやすくなります。

※この記事の決まり・公園の情報は2026年9月25日に環境省・林野庁・東京都・横浜市・各公園の公式ページと法令の条文で確認した内容です(東京都・横浜市・林野庁の決まりと小山内裏公園の駐車場は10月2日に再確認)。最新の状況は各公式サイトでご確認ください。

まとめ|どんぐり拾いは場所の決まりを確かめてから

どんぐりを拾ってよいかは、場所の種類とその場所の決まりで変わります。

  • 国立公園・国定公園の山の上、国有林、私有地の山では拾わない
  • 公園は種類と公園ごとの決まりで違う。迷ったら管理所に聞く
  • 拾ってよい場所でも、落ちているものを少しだけ
  • 持ち帰ったら冷凍で虫の処理をしてから遊ぶ
  • クマ・ハチ・カエンタケ・マダニに気をつけ、道の上で拾う

決まりを確かめて、親子で秋の森のどんぐり拾いを楽しんでください。

本文写真:「長沼公園の雑木林」八王子市(CC BY 4.0・切り抜いて使用)、小山内裏公園の大田切池 撮影 Tx-re(Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0・切り抜いて使用)、どんぐり4種の見比べ画像は次の写真を切り抜いて名前を加えたもの:「コナラ」富山市科学博物館(CC BY 4.0)、クヌギ 撮影 Liné1・シラカシ/アラカシ 撮影 KENPEI(Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0)。商品写真:どんぐりハンドブック(文一総合出版)

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