秋の低山から帰ってきたあと、こんなところで困っていませんか。
- 落ち葉の下がぬかるんでいて、親子とも靴とパンツの裾が泥だらけになる
- 子どもが「靴に石が入った」と何度も座り込み、そのたびに靴を脱がせている
- スパッツという道具があるのは知っているが、ショートとロングの違いも、子ども用があるのかも分からない
靴の中に小石が入る、足が濡れる。どちらも歩くストレスになります。ゲイター(スパッツ)は、その侵入そのものを止める道具です。
価格と重さと素材はイスカ、ザ・ノース・フェイス、モンベルの公式サイトで確認し、丈の決め方と着け方は登山専門メディアで裏を取りました。
子連れの日帰り低山に合う5本を、丈・素材・着脱・サイズの4点で比べ、子ども用と使い方までまとめています。
先に要点だけ書くと、秋の低山に必要なのはショート丈の1本です。子どもの分は、小さい足のサイズから用意されているモンベル キッズスパッツが候補になります。
読み終えるころには、自分の行く山に合う丈が決まり、パンツの上と下のどちらに着けるかも迷わなくなります。
ゲイター(スパッツ)は丈・素材・着脱・サイズの4点で選ぶ

ゲイターは、登山靴の履き口にかぶせて筒状に覆う布です。日本ではスパッツとも呼ばれ、両方とも同じものを指します。
選ぶときに見るのは、丈と素材と着脱方式、そしてサイズの4点。この記事で紹介する5本を、先に表で並べておきます。商品名から各セクションへ移動できます。
| 商品名 | 丈のタイプ | 平均重量 | 素材 | サイズ展開 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| イスカ ウェザーテック ショートスパッツ | ショート | 120g | ウェザーテック(3層構造) | フリー | 4,950円 |
| ザ・ノース・フェイス ハイベント ショートゲイター | ショート | 公表がなく要確認 | ハイベント(3層) | S・M・L | 7,700円 |
| イスカ ゴアテックス ライトスパッツ ミッド | ミッド | 135g | ゴアテックス | フリー | 6,490円 |
| イスカ ゴアテックス ライトスパッツ フロントジッパー | ロング | 170g | ゴアテックス | フリー | 7,040円 |
| モンベル キッズスパッツ | 子ども用 | 112g | 210デニール・ナイロン・オックス | S/M・M/L(16.0〜25.0cm) | 4,620円 |
丈の長さ(cm)は表に入れていません。イスカは公式サイトに高さが載っている一方、ほかの2社は数値を公表していないためです。イスカ3本の高さは、それぞれの紹介セクションで触れます。
役割は小石・泥・雨・雪を靴の中に入れないこと
ゲイターが防いでくれるのは、雨や雪、そして小石が靴の中に入ってくることです。ぬかるんだ道でパンツの裾が泥で汚れるのも抑えられます。
雪のある時期には、濡れを防いで足を冷やさない役目も加わります。無雪期に効いてくるのは、小石や砂利と、水たまりの跳ね返りのほうです。
足に小石が入る、靴が濡れる。どちらも、そのまま歩き続けるのがつらくなる出来事です。体温が下がるのを防ぐという面でも効いてきます。
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丈は行く山で決める(ショートは春から秋、ロングは雪山)
丈は3つに分かれます。くるぶしの周辺までを覆うショート、ふくらはぎの途中までのミッド、膝下までのロングです。
ショートが覆うのはくるぶしの周辺まで。春から秋の登山と、雪のない冬の山がこの守備範囲になります。
ロングは膝下まで覆う長さで、本格的な雪山を歩くときのもの。足が雪に埋もれる場面や、木の枝から雪が落ちてくる場面に備える形です。
子連れで日帰りの低山を歩くなら、まずショートで足ります。積雪期に入るならミッドからロングへ、と段階を上げていく順番になります。
もう1つの目安が、いま履いている靴のカット。ローカットかミドルカットかで、覆いたい高さが変わってきます。
素材は防水透湿素材とコーティング生地で価格が分かれる
素材は2つの系統に分かれます。ゴアテックス、ハイベント、ウェザーテックといった防水透湿素材と、ナイロン生地にウレタンをコーティングしたものです。
防水透湿素材は、外からの水を止めながら内側の蒸れを逃がします。3層構造の生地が多く、そのぶん価格が上がります。
コーティング生地は水は止めますが、蒸れは逃がしにくい作り。晴れた日の泥はねや小石よけが主目的なら、こちらで十分に間に合います。
雨の中を歩く前提や、雪のある時期に使うなら、防水性を優先して選びます。晴れの低山中心なら、そこまで背伸びしなくても構いません。
着脱方式はジッパーの有無で使い勝手が変わる
留め方には、面ファスナー(ベルクロ)、ゴムコードとストッパー、ジッパーがあります。ずり下がりを防ぐ滑り止めが内側に付いたものも多く見かけます。
ジッパー式の利点は、しゃがみ込む動作を少なくできること。子どもを待たせている場面では、この差がそのまま時間になります。
手袋をしたまま着け外しするなら、面ファスナー式が扱いやすくなります。冬に使う予定があるなら見ておきたい点です。
もう1つ見ておきたいのが、土踏まずを通すストラップ。靴底に固定するタイプと、取り外せるタイプがあります。
サイズは靴のサイズに合わせて選ぶ
サイズの決め方はメーカーで違います。イスカはフリーサイズで、ゴムコードとストッパーによって締め加減を合わせる作り。ザ・ノース・フェイスはS・M・Lの3段階、モンベルのキッズスパッツは足のサイズでS/MとM/Lの2段階に分かれます。
靴の形に沿わせる立体裁断のモデルなら、だぶつきが出にくくなります。ただし同じサイズ表記でも、靴の種類によっては合わないことがある点には注意が必要です。
ここからは、丈の短い順に5本を見ていきます。
イスカ ウェザーテック ショートスパッツは高さ22cmで岩場に強い

ショート丈のなかでは長めに作られた1本です。
高さは22cm。くるぶしより上まで覆えるので、石の多い道で靴の履き口から入ってくるものを止めやすくなります。
生地は防水性、防風性、透湿性、結露防止性を持たせた3層構造のウェザーテック。夏の雪渓やガレ場での使用を想定した設計です。
内側には滑り止めの素材が縫い付けてあり、上端はゴムコードとストッパーで締め加減を調整できます。フリーサイズなので、サイズ表を見比べる手間がありません。
ショート丈でもう少し覆いたい、という不満が出やすいのが岩っぽい道です。子どもと歩く先にガレ場が含まれるなら、この長さが効いてきます。

ISUKA(イスカ)
ウェザーテック ショートスパッツ
3層構造の生地を使った、少し長めのショート丈。くるぶしより上まで覆えます。石の多い道やガレ場を歩く人に。
ノースフェイス ハイベント ショートゲイターは止水ファスナーで着脱が速い

子どもを待たせずに、さっと着けて歩き出したい。そんな場面で効いてくるのが前開きのモデルです。
前脛部の止水ファスナーには、水の浸入を軽減するフラップが付いています。開けて足を入れ、閉じるだけなので、しゃがむ時間が短くて済みます。
生地は防水透湿素材のハイベント。雨や泥を除けながら、体から出る水蒸気を逃がして、足元の濡れや汚れ、ムレを抑える作りです。
もう1つの特徴が、靴底をホールドするストラップ。やわらかいトレッキングシューズにも使いやすいフラットな樹脂製が採用されています。
重さの公表がなく要確認である点は、荷物をきっちり管理したい人には物足りないかもしれません。それでも、靴のソールが柔らかくてストラップが噛みにくかった人には、試す価値のある1本です。

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)
ハイベント ショートゲイター
前脛の止水ファスナーで開け閉めするショート丈。靴底のストラップはフラットな樹脂製で、やわらかいトレッキングシューズにも合わせやすい作りです。
イスカ ゴアテックス ライトスパッツ ミッドは身長160cm以下向け

ロング丈は長すぎる、けれどショートでは物足りない。その間を埋めるのがミッドという丈です。
高さは32cm。ふくらはぎの途中までを覆う長さで、イスカはこのモデルを身長160cm以下の人向けとしています。
素材はゴアテックス。雨天時や積雪期のほか、朝露やぬかるみからの汚れを防ぐ用途が想定されています。
スネの内側には滑り止めを縫い付け、締め加減はゴムコードとストッパーで調節する形。収納袋も付いています。
初冬の低山で薄く雪が乗る日まで見据えるなら、ショートより安心して歩けます。丈が合わせやすいぶん、身長の低い人ほど選びやすいモデルです。
ショート丈より値段が上がる点は気になるところ。ただ、雨の日から初冬まで1本で回せると考えれば、買い足す回数は減らせます。

ISUKA(イスカ)
ゴアテックス ライトスパッツ ミッド
ふくらはぎの途中までを覆うミッド丈のゴアテックスモデル。小柄な人でも丈が余りません。初冬の低山まで使いたい人に。
イスカ ゴアテックス ライトスパッツ フロントジッパーは靴ひもを直せる

この記事でいちばん長い、高さ40cmのモデルです。膝下までを覆うので、雪の残る時期まで守備範囲に入ります。
名前のとおり前面がジッパーで開く作り。ジッパーには防水と汚れ防止のフラップが付いています。
特徴的なのがダブルオープン仕様で、下側からも開けられること。着けたままで靴ひもを締め直せるので、歩き始めてから足がゆるんだときに脱がずに済みます。
見た目は足元をすっきり見せるストレートデザイン。長いぶん重さは増えますが、そのぶん覆う範囲が広くなります。
子連れの日帰り低山にはやや大げさかもしれません。子どもの手を引きながら何度もしゃがみたくない人や、冬の低山まで1本で通したい人に向きます。

ISUKA(イスカ)
ゴアテックス ライトスパッツ フロントジッパー
前面が開くロング丈。下側からも開けられるので、着けたまま靴ひもを締め直せます。冬の低山まで1本で通したい人に。
モンベル キッズスパッツは16.0cmから子どもが自分で着けられる

子ども用として選べるスパッツは多くありません。そのなかで、小さい足のサイズから用意されているのがこのモデルです。
前面にジッパーが付いたフルオープンタイプ。ぐるりと開くので、子どもでも自分で着けられます。
靴ひもにフックを引っ掛けられる作りで、歩いているうちにずり上がるのを抑えます。親がしゃがんで直す回数が減る部分です。
もう1つ、成長してレインパンツの丈が短くなったときに、見かけ上の着丈を伸ばす使い方もできます。買い替えを先に延ばせる余地があるということです。
子どもが面倒がるのでは、と心配になるかもしれません。前が全部開く作りなので、子ども自身でも着けられる手軽さがあります。
1つだけ注意があります。大手の通販サイトでは扱いが見当たらないため、購入はモンベルの店舗かモンベル公式オンラインストアからになります。
サイズはS/MとM/Lの2つで、子どもの足の実寸を基準に選びます。まず子どもの靴が決まっていない場合は【2026年】子ども用登山靴おすすめ3選|2〜8歳向け選び方も解説から先に読んでみてください。
ゲイターはパンツの上か下かで効き目が変わる

買ったあとに迷いやすいのが、着ける順番と手入れです。ここを押さえておくと、山で立ち止まる時間が減ります。
泥とぬかるみはパンツの上、強い雨はパンツの下
基本はパンツの外側に着けます。泥汚れ、朝露、雪や小石の侵入を防ぐのはこの形です。
砂ぼこりの多い場所やぬかるんだ泥地帯でも、外側が向いています。内側に着けると、レインパンツの裾までドロドロになるためです。
ひっくり返るのが、靴の中に雨が入りそうなほど強く降っているとき。このときはパンツの下に着け、その上からレインパンツをはいて雨を遮ります。
つまり、決め手はその日の天気と地面の状態。落ち葉と泥の秋の低山なら外側、本降りの雨なら内側、と覚えておけば迷いません。
どちらかに決め打ちしたほうが楽では、と思うかもしれません。ただ、同じ日でも天気と地面の状態は変わるため、出発前にその日の条件で決めるほうが確実です。
ここで言うパンツは、雨具の下(レインパンツ)のことです。まだ持っていない場合の選び方は、レインパンツと折りたたみ傘5選|子連れ登山の下半身の雨対策と選び方にまとめています。
ストラップは消耗品なので交換前提で考える
土踏まずを通すストラップは、地面と靴底にはさまれて少しずつ減っていく部品です。モンベルもこれを消耗品として扱い、別売の交換用ストラップを用意しています。
形は、靴底に固定するタイプと取り外せるタイプの2通り。切れたら本体ごと買い直しではなく、部品だけ替えられると考えておくと長く使えます。
泥だらけになったあとは、靴と一緒に手入れをしておきたいところ。乾かし方や防水のケアは登山靴の雨の日の手入れ|カビ・臭い・劣化を防ぐ乾かし方と防水ケアにまとめています。
ヤマビルが出る季節は忌避剤をスプレーしておく
ヤマビルが動くのは4〜10月。とくに6〜9月が活発な時期です。雨上がりの山道に多く、湿った草や樹木、落ち葉の下にひそんでいます。
ヒルは木の上から落ちてくるのではなく、すべて地面から這い上がってきます。登山靴に取り付いてから靴下の中に潜り込むまでは、わずか30秒ほど。
だからこそ、足元の隙間をふさぐゲイターが効いてきます。さらにスパッツやゲイターへ忌避剤をスプレーしておくのも効果的です。
ゲイターがない日は、ズボンの裾を靴下の中に入れて隙間をなくす方法もあります。秋口までは、この対策を頭に入れて歩きたいところです。
まとめ:子連れの低山ならショート丈の1本から
ゲイター選びの要点を、もう一度まとめます。
- 役割は、小石・泥・雨・雪を靴の中に入れないこと
- 丈は行く山で決める。春から秋の低山ならショート、本格的な雪山ならロング
- 素材は、雨の日も歩くなら防水透湿素材、晴れ中心ならコーティング生地で足りる
- 着脱はジッパー式が速く、手袋のままなら面ファスナー式が扱いやすい
- サイズはイスカがフリーサイズ、ザ・ノース・フェイスがS・M・Lの3段階、モンベルのキッズスパッツがS/MとM/Lの2段階
- 着ける順番は、泥とぬかるみならパンツの外側、強い雨なら内側
最初の1本は、軽くて小さくたためるショート丈で構いません。落ち葉と泥の道で子どもが座り込む回数が減れば、それだけで山の時間が変わります。
本文写真:イスカのウェザーテックショートスパッツ(イスカ公式サイト)、ザ・ノース・フェイスのハイベントショートゲイター(ザ・ノース・フェイス公式サイト)、イスカのゴアテックスライトスパッツミッド(イスカ公式サイト)、イスカのゴアテックスライトスパッツフロントジッパー(イスカ公式サイト)、モンベルのキッズスパッツ(モンベル公式サイト)

