【2026年版】富士山の新ルール|事前登録アプリと子連れ登山の手続き

富士山と夏の登山道 子連れで登る
出典:Unsplash
当サイトはアフィリエイト広告(商品やサービスを紹介するリンク)を利用しています。

来年の夏は富士山に挑戦したい、と話していたお子さんがいるご家庭。「ニュースで富士山の登山ルールが変わったらしい」と耳にしたものの、何がどう変わったのか分からないまま、6月を迎えようとしていませんか。

2026年(令和8年)から、富士山は山梨県側・静岡県側のどちらから登るにしても、事前登録と通行料の支払いがほぼ必須になりました。さらに富士市が運営する電子スタンプラリー「富士山登山ルート3776」も5月15日にスタート。手続きが3つに増え、それぞれ別のアプリ・別の窓口で進めることになります。

本記事では、2026年に変わったポイントを「山梨県側」「静岡県側」「富士市スタンプラリー」の3つに整理し、子連れで富士登山を考えるご家庭が押さえるべき年齢の目安・ルートの選び方・装備のチェックリストまで、一通りまとめます。読み終わったときには、夏休みに向けて何から準備するかが見えるはずです。

2026年の富士登山、何がどう変わったのか

大きな変更点は3つあります。

  • 山梨県側(吉田ルート):通行料1人4,000円、1日4,000人の人数規制、午後2時から翌午前3時までの夜間ゲート閉鎖、五合目での装備チェック
  • 静岡県側(富士宮・御殿場・須走の3ルート):専用アプリ「静岡県FUJI NAVI(フジナビ)」での事前登録と通行料4,000円の納付、QRコード(読み取り式の電子チケット)での入山認証、eラーニング(オンラインでの事前学習)の合格テスト
  • 富士市の電子スタンプラリー「ルート3776」:2026年は5月15日スタート、終了は10月31日に前倒し、チェックインポイントが12カ所から9カ所に集約

これまでの「とりあえず五合目まで車で行ってから登る」という登り方は、2026年からはほぼできなくなりました。家族で登るのであれば、出発前に余裕を持って手続きを始めるイメージで動きたいところです。

富士登山そのものの基礎知識(ルートの全体像・所要日数・費用)については、以下の既存記事が参考になります。

次の章から、ルートごとの新しい手続きを順番に見ていきます。

山梨県側(吉田ルート)の手続き:通行予約システムと装備チェック

山梨県側は、登山口が一つ(富士スバルライン五合目)、ルートも吉田ルート1本に絞られます。家族で初めて富士山に挑戦する場合、最も情報が揃っていて山小屋も多いのがこのルートです。

開山期間と通行料

2026年の開山期間は7月1日から9月10日まで。通行料は1人1回あたり4,000円です。これに山小屋・装備・交通費が乗るため、富士山の費用感は一段上がりました。

時間規制と人数規制

吉田ルートは午後2時から翌午前3時まで、五合目の登山道入口ゲートが閉鎖されます。山小屋宿泊者は除外されますが、それ以外の登山者は時間内の入山ができません。

1日あたりの登山者数の上限も4,000人。山小屋宿泊予約者を除いた人数で、上限に達するとゲートが閉鎖されます。週末や山開き直後は上限に達しやすいため、登山日が決まり次第、早めの予約が安全です。

五合目の装備チェック(必須3点)

2026年から、五合目のゲートで以下3点の装備チェックが入ります。1点でも欠けていると登山道に入れません。

  • 防寒具
  • 上下セパレート式の雨具
  • 登山に適した靴

子ども用も例外ではないため、家族全員分のセットアップが必要です。子ども用の登山靴やレインウェアは、サイズが合わないまま使うと足のマメや雨水の侵入につながります。買い替えが必要な家庭は、登山日から逆算して余裕を持って準備したいところです。

木札(登山者証)は予約者のみに配布される予定数量限定の制度で、当日の現地受付では入手できないこともあります。「予約しなくても現地で払えばいい」という発想は、2026年は通用しないと考えておきましょう。

静岡県側の手続き:FUJI NAVIアプリと事前学習

静岡県側は登山口が3つ(富士宮口・御殿場口・須走口)あります。2026年からは、どのルートを選んでも「静岡県FUJI NAVI(フジナビ)」というアプリでの事前登録が必要です。

FUJI NAVIアプリでできること

FUJI NAVIは、申込みから登山道での認証まで一通りアプリ内で完結する仕組みです。具体的には以下の機能があります。

  • 事前登録(登山日・ルート・人数の入力)
  • 入山料4,000円の納付
  • ルール・マナーの事前学習(eラーニング=オンラインでの動画+テスト形式の学習)
  • 入山証となるQRコード(読み取り式の電子チケット)の発行
  • 登山道での認証(QRコードを読み取らせて入山)
  • 登山道の地図と現在地・到着までの目安時間
  • リアルタイムの天気情報と緊急情報

アプリは7言語8表記に対応しているため、外国人観光客の利用も意識した設計です。日本人の家族にとっても、アプリ1つで手続きが完結するのは負担が減るポイントです。

事前学習(eラーニング)に合格テストあり

FUJI NAVIで事前登録するときには、ルール・マナーについての事前学習(eラーニング)を修了し、確認テストに合格すると入山証のQRコードが発行されます。

子どもと一緒に確認テストを受けるのも、家族で富士山のルールを共有する良い機会です。出発前に親子でテストを受けて、ルールを実感しておきましょう。

3ルートの違いと子連れ向きの選び方

静岡県側の3ルートは、それぞれ特徴がはっきり分かれています。

  • 富士宮ルート:最短で山頂に到達できますが、急坂が連続するため高山病のリスクが高めです。標準的な往復所要時間は約8時間40分
  • 須走ルート:樹林帯が長く、夏の日差しを避けたい家族に向いています。往復所要時間は約9時間47分
  • 御殿場ルート:標高差・所要時間ともに最大で、往復約11時間50分。健脚者向けで、子連れには不向き

子連れで静岡県側を選ぶなら、距離は短いものの急坂が連続する富士宮ルートか、樹林帯で視界に変化のある須走ルートが現実的です。御殿場ルートは体力のある上級者向けで、子連れには不向きです。

富士市の電子スタンプラリー「ルート3776」が2026年5月15日スタート

富士市が運営する「富士山登山ルート3776」は、海抜ほぼ0mのふじのくに田子の浦みなと公園から富士山頂(剣ヶ峰)までを歩き通すコースです。標高差3,776m、全長約42kmで、3泊4日の行程を想定しています。

2026年版の変更点

2026年版のスタンプラリーは、開始が前年より約2週間早い5月15日に。終了は1ヶ月前倒しの10月31日になりました。チェックインポイントは12カ所から9カ所に集約され、「吉原エリア」が2カ所から1カ所、「PICA休養林エリア」が3カ所から1カ所にまとまっています。

参加方法と達成条件

参加には、ヤマスタというデジタルスタンプラリー用のアプリが必要です。手順は以下の通り。

  • ヤマスタアプリをダウンロード
  • 挑戦計画書(コースと日程の予定表)を事前提出
  • 1日目から4日目までのチェックインポイントでスタンプを取得
  • 各日のトロフィーを集めて、4日分のトロフィーをすべて獲得

注意点として、富士山の山頂到達は富士山開山期間(7月10日〜9月10日)中に済ませる必要があります。スタンプラリーの開催期間は5月15日からですが、海抜0mから5合目までを5〜6月のうちに歩き、山頂は開山中にアタックする日程が現実的です。

子連れで挑戦する場合、3泊4日の行程は小学校高学年以上でも体力的にハードです。「海抜0mから登る」という体験を家族で残したい場合は、1日目の田子の浦から富士市街地まで、2日目の市街地から麓までなど、区間を分けて記念に歩くだけでも十分意味があります。

子連れで富士山に登るなら、ルートはどれを選ぶか

2026年に子連れで富士山に登るなら、最も無難なのは山梨県側の吉田ルートです。理由は3つあります。

  • 山小屋の数が最も多く、子どもの体調変化があったときに撤退や仮眠が選びやすい
  • 登山者が最も多く、施設が充実している
  • 初心者向けと位置づけられているガイド情報が多く、家族で計画を立てやすい

静岡県側で子連れに向くのは、急坂をある程度こなせる家族なら富士宮ルート、長時間歩ける家族なら須走ルート。御殿場ルートとプリンスルート、海抜0mからの吉田口登山道は、いずれも経験者向け・上級者向けに位置づけられており、子連れには選ばない方が安全です。

「無理のある日帰り登山は危険」という共通の注意もあり、子連れの場合は1泊以上の山小屋利用が前提になります。山小屋予約のときには「子ども連れであること」と「食事のアレルギー・好み」を必ず事前に伝えておきましょう。

子連れ登山の山小屋泊については、別記事で詳しく解説しています。

子連れの年齢の目安と、登山前に練習しておきたいこと

富士山に子連れで登る場合、何歳から登れるかは「年齢」より「準備にかけた時間」で決まります。4歳の娘と富士山に登ったある親子の記録では、1年間の練習登山を経て本番に臨んでいました。

練習登山で積み上げたいこと

  • 歩行距離:年齢と同じキロ数(4歳なら4km、7歳なら7km)から段階的に伸ばす
  • 山小屋環境への適応:親とのキャンプ・山小屋泊で、暗くて狭い空間での睡眠に慣れさせる
  • 体調を言葉にする練習:自分の症状を子ども自身が言える状態にする
  • 登山マナーの事前教育:山でのマナーを家族で事前に共有しておく

7歳の子と富士山に登った別の例では、標準コースタイムの約2倍のペースが必要だったと記録されています。子どもは一定のペースで歩き続けるのが苦手で、こまめな休憩と声かけ、ペース配分を親が管理することになります。

高山病対策とパルスオキシメーター

富士山は3,000mを超えると、子どもでも高山病のリスクが現実的に出てきます。とくに9合5勺付近で発症するケースが知られており、出発前の対策が必要です。

対策の基本は、水分補給を頻繁にすることと、睡眠を十分に取ることです。さらに、子どもが体調変化を言葉にしにくいケースに備えて、パルスオキシメーター(指先につけて血液中の酸素濃度を測る小型機器)を1台持っていく親もいます。数値で見えると親の判断材料になり、撤退の決断もしやすくなります。

登山用パルスオキシメーター
登山用パルスオキシメーター
指先で血中酸素を測る小型機器
高山病の判断材料に。家族で富士登山するなら1台。

子連れ富士登山の年齢の目安は、別記事でも詳しく扱っています。

「大人のエゴで無理に登らせない」という言葉は、富士山に4歳の娘を連れて登った親の言葉として記録に残っています。子どもが「本当に登りたいのか」を、出発前に一度確認する時間を取りましょう。

子連れ富士登山に向けて準備したい装備チェックリスト

2026年から五合目で装備チェックが行われるため、装備不足は登山口で止められます。最低限以下のリストを家族全員分そろえておきましょう。

装備はすべて買いそろえる必要はなく、子ども用はレンタルでそろえる方法もあります。料金や借り方は子連れ富士登山の装備はレンタルで十分?料金と借り方を解説【2026年】でくわしく解説しています。

必須3点(五合目チェック対象)

  • 防寒具
  • 上下セパレート式の雨具
  • 登山に適した靴

あると安全度が上がるもの

  • ヘッドランプ(夜間・早朝行動用、家族全員分)
  • パルスオキシメーター(高山病の判断補助)
  • 登山アプリ(YAMAP・ヤマレコなどでルート計画と現在地確認)
登山用ヘッドランプ
登山用ヘッドランプ
家族全員分そろえたい必須装備
早朝の山頂アタックや夜の山小屋で必ず使います。子どもにも軽量タイプを。

装備の細かい選び方は、それぞれの専門記事を参考にしてください。

山小屋トイレは1回200〜300円が目安です。

閉山期登山の禁止徹底と救助費有料化の議論(2026年の最新動向)

2026年の富士山では、入山ルールの変更に加えて、閉山期間中の登山禁止を実効性のある仕組みにすることと、遭難救助費の一部自己負担化が新しい論点として議論されています。子連れで登る家庭は、開山期間(山梨側7/1〜9/10、静岡側7/10〜9/10)を守る前提で計画を立てることが大切です。

静岡県側5市町の首長が制度改正を検討

2026年5月、静岡県側の富士宮市・富士市・御殿場市・裾野市・小山町の首長が小山町に集まり、閉山期登山の禁止を実効性のある仕組みに変える方法と、救助費の一部自己負担を可能にする制度改正について話し合いの場を持ちました。背景には、2025〜26年シーズンも閉山期間中の富士山で遭難事故が相次いだ実情があります。

救助費有料化の論点と参考事例

富士吉田市長は2025年5月の段階で「閉山期間中の遭難救助費用は有料化すべき」と表明し、「警告を発する意味でも登山保険に加入してもらいたい」と呼びかけています。冬の富士山は気流が悪く、救助に当たる隊員にとっても命の危険が大きいことが理由です。参考にされているのは埼玉県の制度で、ヘリコプターの飛行時間5分ごとに約8千円の手数料納付を求める仕組みになっています。

静岡県知事は2025年5月から有料化検討を関係部局に指示しましたが、2026年4月時点でも具体的な方向性は固まっていません。山梨県との協議も継続中で、消防庁は「山ごとに状況が異なる中で、統一の指針を示すのは簡単ではない」との見解を示しています。検討対象にはヘリコプターの有料化に加えて、登山道への立入制限の強化も含まれています。

子連れ富士登山で押さえておきたい3点

議論はまだ進行中ですが、子連れの家庭が今の段階で意識しておきたいポイントは3つあります。

  • 開山期間(山梨側7/1〜9/10、静岡側7/10〜9/10)を必ず守り、閉山期登山は絶対に計画しない
  • 万一に備えて家族全員分の登山保険への加入を検討する(保険料の金額は各保険会社のサイトで確認)
  • 登っている途中でも、子どもの体調や天候が悪化したら無理せず引き返す判断を、あらかじめ家族で決めておく

富士山は標高3,776mの高山であり、子どもにとっては想像以上に厳しい環境です。新ルールも、閉山期登山禁止徹底や救助費有料化の議論も、登山者の命と救助隊の安全を守るための仕組みです。家庭で判断できる範囲のこと(時期・装備・体調・引き返し基準)を1つずつ整えて、安全マージンを大きく取った計画を立てましょう。

まとめ:2026年の富士山は「アプリと事前準備」がカギ

2026年からの富士登山は、登る前の手続きが3層構造になりました。

  • 山梨県側は、富士登山オフィシャルサイトの通行予約システムで予約と通行料4,000円の納付、五合目で装備チェック
  • 静岡県側は、FUJI NAVIアプリで事前学習・QR入山証の発行と通行料4,000円の納付
  • 富士市ルート3776は、ヤマスタアプリで5月15日から10月31日までのスタンプラリーに参加

子連れで初めての富士登山なら、山梨県側の吉田ルートが最も無理がありません。練習登山で標高と歩行距離に慣らし、装備を家族全員分そろえ、登山予定日に向けて余裕を持ってアプリ手続きを完了させる、という流れが現実的です。

「夏休みに富士山」はゴールデンウィーク明けからの準備で十分間に合います。新制度を理由に諦めるのではなく、家族で安全に山頂に立てるよう、今から準備を始めましょう。

続きの情報は以下の関連記事もあわせて読んでみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました