「もう少し歩きごたえのある山に挑戦したいけれど、子どもが途中でバテて歩かなくなったらどうしよう」。子連れ登山に少し慣れてくると、こんな不安が出てきます。
- 本番でへばって「もう歩きたくない」と座り込んでしまう
- 登り下りで足がもつれて、転びそうになる
- 親がフォローし続けて、こちらが先に疲れてしまう
こうしたつまずきは、山に行く前の「家での準備」でかなり減らせます。山選びの目安や持ち物は子連れ登山のはじめ方|0歳から始められる完全ガイドで確認しつつ、この記事では家でできるトレーニングを3つの方法にしぼって紹介します。特別な道具がなくても、普段の遊びや散歩に少し足すだけで始められます。読み終えるころには、本番までに何をすればいいかがはっきりします。
子連れ登山の前に「家でのトレーニング」が効く理由

登山は、坂道を長い時間のぼり下りする運動です。平らな道を歩くのとは使う筋肉も体力も違うため、普段の生活だけでは足りない部分が出てきます。
子連れ登山では、山選びの段階で標高差を500m以下におさえ、コースタイムも大人の倍に休憩時間を足して考えるのが安全の目安です。それでも、子どもにとってはまとまった距離を自分の足で歩く挑戦になります。だからこそ、本番前に体を少しずつ慣らしておくと、当日の「歩かない」「疲れた」を減らせます。
ここから紹介する3つの方法は、どれも家やその周りでできるものです。次の見出しから、ひとつずつ見ていきます。
方法1|親子ウォーキングで「歩く脚」と歩く習慣を育てる

いちばん効くのに、いちばん手軽なのが「歩くこと」です。いきなり山に連れて行くのではなく、まずは近所の公園やお出かけで、自分の足で歩く経験を積むところから始めます。
ポイントは、少しずつ距離をのばすことです。最初は短い散歩からでかまいません。慣れてきたら、遠回りして帰る、坂のある公園を選ぶ、といった形で歩く量を増やしていきます。山に近い負荷をかけたいときは、近所の里山で足慣らしをして、往復2時間ほどのコースから徐々に距離を増やすと無理がありません。
歩くことに慣れてきたら、小さなリュックを背負って歩く練習も足してみてください。子ども用のバックパックは8〜12Lほどが目安です。自分の水筒やおやつを入れて背負うと、本番で荷物を持つ感覚に慣れておけます。リュックや靴など登山に必要な装備は子連れ登山ギア完全ガイド|0歳〜小学生まで全部まとめに、当日の水分のとり方は子連れ登山の水分補給|ハイドレーション・水筒おすすめ4選にまとめています。
ザ・ノース・フェイス ほか
自分の荷物を背負う感覚に慣れておくと、本番で「重い」と嫌がりにくくなります。8〜12Lの小さめサイズなら体への負担が少なく、普段のお出かけから使えます。
方法2|階段・段差・踏み台で登り下りに慣れる

平らな道を歩けても、登り下りになると一気にきつく感じます。山で使う「のぼる・おりる」の動きは、家の周りの階段や段差で慣らせます。
大人向けには、段差を使った下半身づくりが知られています。足を前後に開いて段差に片足をのせ、つま先で伸び上がって、かかとを上げながら全身を上へ押し上げる動きです。かかとの上げ下げを10回2セット、上げたまま15秒止める、段差の動きを2分ほど、と合わせても1日5分から始められます。負荷の軽いところからスタートし、慣れてきたら少しずつ本来の動きに近づけていきます。日ごろ体を動かしていないと最初はきついので、無理のない回数で十分です。
子どもの場合は、回数を決めて頑張らせるより「遊び」にするのがコツです。公園の階段をのぼり下りする、玄関の段差でジャンプして遊ぶ、といった形なら自然と登り下りの動きが身につきます。雨の日や暑い日に家の中でも続けたいなら、踏み台があると便利です。
フィットネス用ステップ台
雨の日や暑い日でも、家の中で登り下りの動きを再現できます。高さを変えられるタイプなら、子どもの成長や体力に合わせて長く使えます。
方法3|バランス遊び・体幹あそびでつまずきを防ぐ

山道は、根っこや石でデコボコしています。ここで転ばないために役立つのが、バランスをとる力と、体の真ん中を支える体幹です。
自分の体の状態は、片足立ちで簡単にチェックできます。目を開けて片足で90秒立てるかを試し、慣れたら目を閉じて左右の足でやってみます。ぐらつくほど、バランスをとる力や下半身の粘りが足りないサインです。子どもなら「どっちが長く片足で立てるか」を競争にすると楽しく続けられます。
もう少し負荷をかけたいときは、片足をいすにのせて体を落とすブルガリアンスクワットを各10回2セット行うと、お尻や太もも、バランスをまとめて鍛えられます。体幹は、お腹の表面より下腹部の奥のほうを意識すると効果的です。歩くフォームを直したいときは、腰の位置・足の置き方・腕の振りのうち、1日にひとつだけに絞って意識すると身につきやすくなります。
子どもには、乗ってグラグラを楽しむバランスディスクが取り入れやすい道具です。遊び感覚で足裏とお腹まわりを使えます。
体幹・バランス用
乗って遊ぶだけで、足裏とお腹まわりを自然に使えます。テレビを見ながらでも続けやすく、デコボコ道でつまずきにくい体づくりにつながります。
年齢別のトレーニングと山の目安

同じトレーニングでも、子どもの年齢によって目指す山は変わります。背伸びをしすぎないために、年齢ごとの目安を知っておくと安心です。
- 3歳半ごろから:起伏の少ない1時間ほどのハイキングが目安。平坦な散策路で「自分で歩く」ことに慣れる時期です。
- 5歳ごろから:「山頂を目指す」という気持ちが理解できるようになります。ゴンドラを使って1〜3時間ほどの登山にも挑戦できます。
- 6歳前後から:本格的な登山に進める段階。歩く距離を少しずつのばせます。
慣らし方も段階的にするのがコツです。まずは近所の里山で足慣らしをして、次にゴンドラや車で高度をかせいで短い登山に進み、そこから歩く距離を増やしていきます。家でのトレーニングと、この「山での段階アップ」を組み合わせると、無理なくステップアップできます。
家トレを続ける3つのコツ

トレーニングは、続かなければ意味がありません。子どもと一緒に無理なく続けるために、3つだけ意識しておきたいことがあります。
- 遊びにする:回数や記録より「楽しい」を優先します。競争やごっこ遊びにすると、子どもは自分から動きます。
- 1日にひとつだけ:あれもこれもと欲張らず、今日はウォーキング、明日は片足立ち、と1日1つに絞ると続きます。
- 無理強いしない:登山は修行ではありません。嫌がる日は休んでよいと考えるくらいが、結局いちばん長続きします。
親が頑張らせすぎると、子どもは山そのものを嫌いになってしまうことがあります。どこまで促してどこで引くかの線引きは、子連れ登山で親がやりすぎる失敗7つ|山選び・声かけ・引き返しの基準が参考になります。それでも本番で歩かなくなったときの対処は、子連れ登山で子どもが歩かない時の対処法|ペース配分と声かけのコツにまとめています。
まとめ|家でできる3つの方法で本番に備える
子連れ登山に向けた家でのトレーニングは、特別な道具がなくても始められます。今日からできる3つの方法をおさらいします。
大切なのは、楽しみながら少しずつ続けることです。家での準備が整えば、本番の山がぐっと身近になります。今日からできることをひとつ選んで、家族みんなで山を楽しんでください。


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