「登山を始めたいけれど、用品が多すぎて何から買えばよいのか分からない」。
はじめての家族登山を前に、ギア選びで止まってしまう方は多いと思います。子どもがいる場合は、自分の装備と子どもの装備を同時に考える必要があるため、なおさらです。
この記事では、登山で「三種の神器」と呼ばれる3つの装備(登山靴・レインウェア・ザック)について、最初に揃える優先順位と予算配分の目安を、子連れ初心者の家族視点で整理しました。各神器の選び方の細かいポイントは個別記事にまとめてあるので、まずは全体像をつかんでから、必要な記事を読み進められる構成にしています。
これから揃える方は、ここで全体像を確認しておくと、低山ハイクや日帰り登山で「足が痛い」「雨で体が冷える」「肩が辛くて子どもを見られない」といったトラブルをかなり減らせます。優先度の高いものから少しずつ買い足していけば、初期費用も分散できて、ムダなく安全に登山を始められます。
登山の三種の神器とは

登山の三種の神器とは、登山を始めるときに最初に揃えるべき3つの基本装備を指します。具体的には次の3つです。
- 登山靴
- レインウェア(上下セパレート)
- ザック(リュック)
この3つを「神器」と呼ぶのは、これらが揃わないと安全性・快適性が一気に下がるからです。スニーカーで岩場を歩けば足首を痛めますし、雨具がなければ低山でも体温を奪われます。普段使いのリュックでは肩や腰が痛くなって、子どもをサポートする余裕がなくなります。
逆に言えば、この3つさえ揃っていれば、低山ハイクや日帰り登山ならひととおりの装備として成立します。最初の出費が大きくなりがちですが、ここに投資すると次の登山が安全で楽になります。
三種の神器を揃える「買う順番」
3つを一度に買えるならそれでよいのですが、初期費用を分散したい家庭が多いと思います。買う順番に迷ったら、次の優先順位を目安にしてください。
1. 登山靴(最優先)
登山靴を最優先にする理由は、足元の安定が登山の安全性に直結するからです。岩場や濡れた木の根の上では、スニーカーと登山靴で滑り方も足首の捻りやすさも大きく変わります。
子連れ登山では、親が転ばないことが何より大切です。子どもが転びかけたとき、親が滑らない足元で支えられるかどうかは、登山靴が決めます。
2. レインウェア
次に揃えたいのが、上下セパレートのレインウェアです。山の天気は変わりやすく、低山でも午後の雷雨や霧雨に遭遇します。コンビニのビニール傘や100均ポンチョでは、汗をかいた体に冷たい雨が貼りつき、低体温症のリスクが上がります。
登山用のレインウェアは「防水透湿性」(外からの雨は通さず、内側の汗の蒸気だけを外に逃がす機能)のある生地で作られていて、雨天時でも体の中が汗でびしょ濡れになりにくいのが特徴です。これがあるかどうかで、雨天時の快適さと安全性がまったく変わります。
3. ザック
3つ目はザック(リュック)です。レインウェアや行動食を持ち歩くためにも必要ですが、普段使いのリュックでもしばらくは代用できます。ただし、長時間背負うと肩や腰への負担が大きく、子どもをサポートする余裕がなくなるので、慣れてきたら登山用ザックを購入したいところです。
最初の数回の登山であれば、家にあるリュックで代用し、登山靴とレインウェアを先に揃えるのが現実的な選択です。
三種の神器を揃えるときの予算配分の考え方
三種の神器の具体的な価格は、選ぶブランド・モデルや時期のセールで大きく変わります。本記事ではモデル別の値段ではなく、家族で揃えるときの「予算配分の考え方」を整理します。実モデルの価格は、後述の個別記事でモデルとセットで確認してください。
大人の装備にお金をかける、子どもは中価格帯で揃える
大人の登山靴とレインウェアは、丁寧に使えば長く使い続けられる装備です。ここに投資すると1回あたりの装備コストが下がります。一方で子どもの装備は、身長や足のサイズが伸びる時期はサイズが合う期間が短いことが多く、まずは中価格帯の定番モデルから始めるほうが買い替えやすくなります。
ザックは普段使いリュックで代用、慣れてから登山用へ
最初の数回の登山なら、家にある普段使いリュックでもしばらく代用できます。登山靴とレインウェアを先に揃え、ザックは続けるかどうかが見えてきた段階で登山用に買い替える、という順番だと初期費用を抑えやすくなります。
買う順番は登山靴、レインウェア、ザックの順
一度に全部揃えるのが難しい場合は、本記事の「買う順番」の章で示したとおり、登山靴・レインウェア・ザックの順で買い足していくのが現実的です。安全に直結する順番でもあるので、予算面でもリスク面でもこの順がおすすめです。
各神器の選び方ダイジェスト
3つそれぞれの選び方のポイントは、別記事に詳しくまとめています。ここではダイジェストだけ紹介しますので、買う段階になったら個別記事を参照してください。
登山靴:ミドルカットを基準に

大人の登山靴は、足首をある程度ホールドしてくれるミドルカット(くるぶしまで覆う高さ)を基準に選ぶと、低山〜中級まで幅広く対応できます。子どもの登山靴は年齢や歩く山の難易度で適切な種類が変わるので、詳しくは個別記事を参考にしてください。
サイズ感、防水性、ソール(靴底)の硬さなど、購入前に確認したいポイントは多めです。詳しくは次の記事にまとめています。
【登山靴の選び方】初心者・子連れに失敗しないミドルカット3足比較
レインウェア:上下セパレート+防水透湿

レインウェアは上下セパレートタイプ(ジャケットとパンツが分かれているタイプ)で、防水透湿性のある生地(ゴアテックス等)を選ぶのが基本です。ポンチョや傘では、子どもを支えながら歩く動作の邪魔になります。サイズ選び・素材の違いの詳細は、下記の個別記事を参考にしてください。
価格帯・耐久性・洗濯のしやすさ、子ども用のサイズ選びで迷うポイントなど、詳しくは次の記事を読んでください。
【レインウェアの選び方】初心者・子連れ登山で失敗しないポイント
ザック:日帰り大人は20〜30L程度を目安

日帰り登山なら大人は20〜30L程度が一般的な目安です。子どもの容量や、家族の共通装備(救急セット・行動食・水)をどう分担するかなど、家族構成別の選び方は下記の個別記事を参考にしてください。
背面長(背中の長さ)の合うサイズを選ばないと、肩や腰が痛くなって長時間歩けません。容量別の選び方・モデル比較は次の記事にまとめてあります。
登山リュックの選び方|初心者向け容量目安とおすすめ3モデル比較
三種の神器を揃えた次に必要なもの
三種の神器が揃ったら、次のフェーズで揃えたい装備があります。三種ほど絶対必須というわけではありませんが、低山でも快適さと安全性が一段上がる装備として、優先度の高いものを3つ紹介します。
- ヘッドランプ(下山が遅れたときのトラブルに備える必須装備)
- 防寒着(天候急変への対策。山での体の冷えは命に関わる場面もある)
- バーナーとクッカー(温かい食事やコーヒーで登山の楽しみが広がる)
この3つに加えて、帽子・手袋・行動食・救急セットなどの小物類も揃えていくと、子連れ登山の安心感が一段上がります。子連れ登山の具体的な持ち物の全体像は、次の記事にチェックリスト形式でまとめてあります。三種の神器を揃えた次のステップとして、合わせて読んでみてください。
まとめ|まず買うのは登山靴、最後がザック
登山の三種の神器(登山靴・レインウェア・ザック)は、一度に全部揃える必要はありません。安全性に直結する登山靴を最優先に、次にレインウェア、最後にザックという順で揃えていくと、初期費用を分散できます。
子連れ家族の場合、子どもの装備はサイズが合う期間が短いことが多いので、最初は中価格帯の定番モデルで十分です。大人の登山靴とレインウェアは長く使うので、ここはしっかり選びたい部分です。
三種が揃ったら、ヘッドランプや防寒着といった次のフェーズの装備、そして小物類を買い足して、家族で安心して低山ハイクを楽しんでいきましょう。


コメント