登山は、景色を楽しむだけのものではありません。山に登ることで、自然の大きさや厳しさを体で感じることができます。そしてもう一つ、山は昔の人の考え方や、日本の文化を知る入り口でもあります。
日本には、ただ高いだけでなく、人の心と深く結びついてきた山があります。その代表が、日本三霊山と呼ばれる三つの山です。今回は、富士山、白山、立山について、親子で学べるよう、できるだけやさしい言葉で紹介します。
日本三霊山とは?
日本三霊山とは、富士山、白山、立山の三つの山を指します。
これらの山は、古くから神さまが宿る場所、心や体を清める場所として信仰されてきました。
昔の人にとって山は、今よりもずっと特別な存在でした。天気を左右し、水を生み、時には災害をもたらす山は、人の力を超えた存在だったのです。そのため人々は、山を恐れながらも敬い、祈りの場所として向き合ってきました。
日本三霊山は、そうした山と人との関係を今に伝える象徴的な存在といえます。
日本三霊山のような山を実際に歩くと、自然の大きさをより強く感じられます。親子で登った山の記録は、こちらの記事でも紹介しています。▶︎子連れ登山
富士山 日本一高い特別な霊山

富士山は、日本でいちばん高い山です。
その左右対称の美しい姿は、遠くからでも目を引き、昔の人は「この山には特別な力がある」と考えました。
平安時代には、修行のために富士山に登る人が現れ、登山そのものが信仰の一つになりました。山に登ることは、神さまに近づく行いだったのです。山頂には今も神社があり、富士山全体が神聖な場所として扱われてきたことがわかります。
また、富士山は遠くの地域からも見えるため、人々にとって心のよりどころでもありました。旅の安全や五穀豊穣を願いながら、富士山に手を合わせる人も多かったのです。
子どもには、
「日本でいちばん高くて、昔からたくさんの人が大切にしてきた山」
と伝えると、富士山の特別さが伝わりやすくなります。
白山 水と命を育てる霊山

白山は、石川県と岐阜県にまたがる山です。
この山は、水を生み出す山として信仰されてきました。
白山には多くの雪が降り、春になると雪解け水が川となって流れ出します。その水は田んぼを潤し、町や村の生活を支えてきました。人々にとって白山は、命の源となる存在だったのです。
そのため白山では、農作物がよく育つようにと祈りをささげる文化が生まれました。自然の恵みに感謝する気持ちが、白山信仰として今も受け継がれています。
白山は、自然と人の暮らしが強く結びついた霊山だといえるでしょう。
立山 厳しさと向き合う修行の霊山

立山は富山県にある山で、昔は修行の山として知られていました。
険しい地形や深い雪は、「簡単には近づけない神さまの世界」と考えられていたのです。
立山には地獄谷など、自然の厳しさを強く感じる場所があります。火山の力を感じる景色は、自然の恐ろしさを伝えてくれます。一方で、草原や雪渓、高山植物など、美しい景色も広がっています。
こうした厳しさと美しさの両方を体験することで、人は自分自身を見つめ直してきました。それが、立山が修行の山として信仰されてきた理由です。
日本三霊山に共通する考え方
富士山、白山、立山には共通点があります。
どの山も、
昔から信仰されてきたこと
自然の力を強く感じられること
人の心を整える場所と考えられてきたこと
山は、登って征服する場所ではなく、向き合い、学ぶ場所でした。自然の前で人は小さな存在であることを知り、感謝や祈りの気持ちを持つようになったのです。
親子で学ぶときのポイント
実際に日本三霊山に登らなくても、学びは始められます。
写真や地図を見ながら、
「どうしてこの山は特別なのかな?」
「昔の人は、どんな気持ちでこの山を見ていたのかな?」
と話してみてください。
登山の機会があれば、
「この山は、昔から大切にされてきた霊山なんだよ」
と伝えるだけで、子どもの山を見る目は大きく変わります。
山の意味を知ってから歩くと、登山はただの運動ではなくなります。親子で楽しめる登山ルートや体験談は、こちらの記事にまとめています。▶︎子連れ登山
まとめ
日本三霊山は、富士山、白山、立山の三つの山です。
どれも自然の力と、人の思いが重なって生まれた特別な存在です。
山を知ることは、日本の歴史や文化を知ることにつながります。
次の登山やお出かけで、ぜひ親子で山の意味について話してみてください。


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